埼玉新聞

 

新元号で以前より大きい熊手を 大宮氷川神社で十日市 境内に飛び交う掛け声、手締めも威勢よく

  • 商談がまとまり、あちこちの熊手店から客と共に手締めをする威勢のいい声が聞かれた=10日午後4時45分ごろ、さいたま市大宮区の武蔵一宮氷川神社

 さいたま市大宮区の氷川神社で10日、熊手市が立つことで知られる「十日市(とおかまち)」が行われ、福を求める大勢の人々でにぎわった。

 十日市は武蔵一宮の同神社の神事「大湯祭(だいとうさい)」に合わせ、毎年12月10日に行われる「酉(とり)の市」。江戸時代の延宝年間(1673~1681)の社記にはすでに「大湯祭」の文字が見られ、相当古くから行われてきた祭典だという。

 日没後の参道左右には明かりをともした露店が並び、寒空の下、拝殿を目指す人々が列を作る。境内の熊手店では威勢のいい掛け声が飛び交い、商談がまとまり、客と共に手締めをするにぎやかな声があちこちで響いていた。

 毎年ここで出店しているという熊手商「福田屋」の福田功さん(73)によると、新たな元号となり、以前より一回り大きいものを求める客、また、縁起物を求める若い客も増えているという。社員と共に大型の熊手を購入したさいたま市浦和区の塗装業「石川建装」の石川俊彦社長(50)は「最初は小さい熊手でしたが、だんだん大きくなっている。今年はとてもいい一年。来年も事業が順調にいけば」と笑顔を見せていた。

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