埼玉新聞

 

心新たに新年を…ジャンボ絵馬、川越の神社が設置 来年のえと、地元の中高生ら描く 親子で門松作りも

  • 奉納された特大絵馬と制作した中高生=川越八幡宮本殿裏

  • 親子で手作りしたミニ門松=川越市立博物館

 師走に入り、新年に向けた準備が動き出している。川越市南通町の川越八幡宮(榊原茂宮司)では来年のえとを描いた特大絵馬が設置された。畳15枚分もの大きさを誇る絵馬(5・4メートル×4・5メートル)に、愛らしいネズミたちが描かれている。

 同神社は毎年、えとを描いたジャンボ絵馬を地元の学校に制作依頼し展示している。畳2枚分の大きさだった絵馬を前の未(ひつじ)年から現在の大きさに巨大化させた。

 制作したのは私立埼玉平成高校(毛呂山町)文芸部と市立川越第一中学校美術・文化総合部の生徒ら。高校生が基本デザインを担当し、中学生が十数匹の小さなネズミたちを描いた。

 絵馬の奉納神事に参加した文芸部の近桃花部長(17)は「中央の大きなネズミに迫力感をもたせるよう心掛けた」。美術・文化総合部の井原実優部長(14)は「絵馬の中にみんなの個性が表れている」と話していた。

 榊原祥光禰宜(52)は「令和最初の正月にして、子(ね)年も十二支の最初のえと。心を新たに希望と夢を持って新年を迎えましょう」と述べた。特大絵馬は八幡通りに面した本殿裏手に1年間設置される。通りを行き交う人々が一足早い迎春気分を味わっていた。

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 川越市立博物館では正月を彩る松竹梅の門松作りが催された。「現代の名工」に選定された造園工小峯吉衛さん(73)=同市南通町=を講師に迎え、小・中学生と保護者らが高さ30センチほどのミニ門松を完成させた。

 子どもたちは青々とした3本の竹をバランスよくまとめ、その周囲を松で飾り立てた。梅の代わりにペーパーワイヤーで梅の花形を形成して飾り付けた。小峯さんは「どの子も器用で門松も様になっている」と褒めていた。

 同市立古谷小学校4年の門平倖奈さん(10)は弟悠矢君(7)とそれぞれ手作り。倖奈さんは「上手にできた。一つは別に暮らしているおばあちゃんに贈りたい。お正月に神様が来てくれる目印になるといい」と笑顔で話していた。

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