聖火ランナーに75人、県が内定 県内40市町をリレー 復元した陸船車や乗馬、五輪カラーの機関車も
県は17日、来年7月7~9日に県内を通過する2020年東京五輪の聖火ランナーに内定した12歳から91歳までの75人と聖火リレーの詳細なルートを発表した。1964年の東京五輪で旧国立競技場の聖火台の製造に携わった川口市の鈴木昭重さん(84)や、元ラグビー日本代表で熊谷市出身の堀越正己さん(51)らが走る。3日間で県内40市町23区間を通過する聖火リレーでは、一部区間で乗馬や電気機関車、長瀞町では荒川を和船で下る「長瀞ライン下り」などで、聖火を運ぶ。
県聖火リレー実行委が、7、8月に行った聖火ランナーの募集には1万4113人から応募があり、書類選考で県にゆかりのある75人のランナーが内定。申し込み時点で障害が「有り」とした人は12人いた。外国籍も2人いる。約200メートルを1人で走る65人と、10人一組で走行するグループランナーで構成。聖火ランナーはこの他に、スポンサー枠などがある。
内定者の内訳(18日時点)は男性40人(53・3%)、女性35人(46・7%)。年代別では10代が25人(33・3%)で最多。30代と50代が13人(17・3%)ずつで続いた。最年少は12歳で7人。最高齢はふじみ野市の磯田朝子さんで91歳。
同課によると、趣向を凝らした聖火リレーは、日高市(7日)、秩父市・皆野町・長瀞町(8日)、本庄市・深谷市(9日)の区間の一部で実施。日高市では、約1300年前に現在の日高市を中心とする地域に高麗郡が築かれたことに関連し、高句麗古墳群の壁画をモチーフに再現したカラフルな衣装に身を包み、騎射文化になぞらえた乗馬による聖火リレーを予定する。
秩父市から皆野町のルートでは、電気機関車の車両を五輪カラーの各色に塗装し、秩父鉄道の秩父駅―親鼻駅間で聖火を乗せた客車をけん引。長瀞町では「長瀞ライン下り」で運ぶ。
本庄市から深谷市では、復元した陸船車や自転車を活用した聖火リレーを行う。18世紀初め、自転車の発祥とされる足踏み式自走四輪車(陸船車)を発明した庄田門弥が現在の本庄市に住んでいたことにちなんでいる。
大野元裕知事は「埼玉県では、開催都市の東京都を除き、全国最多の40市町を聖火が巡り、地域の魅力あふれるルートを駆け抜ける。埼玉の名を広く世界に発信したい。トーチを掲げて走る人、沿道から応援する人、皆でONE TEAMとなって、埼玉の聖火をつないでいきたい」とコメントした。