さいたま国際芸術祭が開催100日前、大宮で記念イベント 巨大な壁画アートもお目見え、祭典へ気運高める
来春に開幕する「さいたま国際芸術祭2020―Art Sightama―」開催100日前となった10日、メイン会場となるさいたま市大宮区の旧大宮区役所で、記念イベントが行われた。招へいアーティストによるパフォーマンスやトークショーが行われ、芸術の祭典へ向けて気運を高めた。
同芸術祭は、16年に開催された「さいたまトリエンナーレ2016」に続き2回目。20年3月14日から5月17日まで65日間、旧大宮区役所や旧大宮図書館を中心に市内各地で行い、期間中で約30万人以上の来場を見込んでいる。
100日前イベントには、招へいアーティストも大勢駆け付けた。大宮光陵高校美術科卒業で見沼区の平川恒太さん(32)は、歴史画や戦争画を題材とした絵画を中心に製作。「作品を通じ、現代社会について想像してほしい」と話す。春日部市の碓井ゆいさん(39)は手芸の技法で布などを使い、平面や立体作品を手掛ける。「生活の延長で美術を感じてほしい」と来場を呼び掛けている。
生け花ワークショップには多くの市民らが参加した。大宮区の上野三千子さん(80)は友人に誘われ体験し、「芸術祭が始まったら多くの作品に触れてみたい」と話した。
同市役所には漫画家の北沢楽天の作品をモチーフにした高さ30メートル、幅6メートルの壁画アートもお目見え。清水勇人市長らのライトアップ点灯式が行われ、巨大なアートが夜の大宮に浮かび上がった。
清水市長は「昭和40年代に建てられ約半世紀にわたり、大宮の街の発展を見守ってきたこの建物が、芸術祭の新拠点となる。市民の皆さんと一緒に開幕まで盛り上げていきたい」と話した。
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イベントに先駆けてソニックシティで行われた会見では、全34組の招へいアーティストが発表された。9月発表の8組に加え、高木正勝氏(映像作家)や須田悦弘氏(インスタレーション)らが加わった。同芸術祭では招へいアーティストのほか、市民の展示も含め全230組以上が参加する。統括する映画監督の遠山昇司ディレクターは「芸術祭を通して、新しいさいたまの風景を生み出していきたい」と期待を込めた。
問い合わせは、開催準備室(電話048・829・1225)へ。