埼玉新聞

 

<全国高校駅伝>22日号砲、今年は飛躍の年 思いを一つに、自信込める布陣で目標達成を/女子・昌平

  • 3年連続の出場で初の8位入賞を視界に入れる女子の昌平

  • けがから復活し、完全燃焼を誓う昌平の主将・小松

 男子第70回、女子第31回全国高校駅伝は22日、たけびしスタジアム京都(西京極陸上競技場)発着コース(男子=7区間42・195キロ、女子=5区間21・0975キロ)に全国都道府県の予選を勝ち抜いた男女各47校に、記念大会となる男子の地区代表11校が参加して行われる。埼玉からは、男子が3年連続39度目出場の埼玉栄、女子は3年連続3度目出場の昌平が全国の強豪校に挑む。スタートは女子が10時20分、男子が12時30分。決戦の時が迫り、緊張感が高まる両チームを紹介する。

■充実一途で今年こそ

 2017年の都大路初見参から3年連続の挑戦となる女子の昌平。今季の充実ぶりを象徴する数字が「9分27秒」だ。

 これは上位5人の3000メートルの自己ベストの平均タイム。17年は「9分42秒」、前回が「9分35秒」。そして今年の県予選の前は「9分30秒」。ここから、さらに1年生木下が11秒、2年生四元が5秒もベストを更新し冒頭の数字まで縮めた。

 18位、21位と過去2大会の成績を考えれば、自然と期待は高まる。「全国ベスト8にチャレンジしたい」と浅賀監督。名将・大森総監督も「今年は飛躍の年」と自信を込める布陣で、今年こそ大きな目標を達成する。

 鍵は2区までの位置取り。強豪校のように1区に大砲がいないのは懸念材料だが、チーム一の安定感とスタミナを誇る鈴木の粘り腰に期待だ。周囲に惑わされず、中間点から上げて11~13番で渡せれば理想的。「区間上位で走りたい」と意気込む2区木下は、卓越したスピードを武器に、8~10番へ押し上げる。

 後続も力を秘める。木下と並ぶ成長株の3区の1年生丹羽、昨年も4区で区間10位だった主将の小松が順位を死守し、好調の四元が1、2人かわせるか。鈴木は「みんなが100パーセントの力を発揮できれば、8位入賞は可能」と拳を握る。チームの思いは一つだ。

■不屈の心「自分越え」/主将・小松

 主将が特別な思いで集大成の舞台に挑む。小松は春先、左坐骨の疲労骨折で長期離脱を余儀なくされた。3年連続出場を狙った全国高校総体は早々に断念。最初はバイクすらもこげず、体幹トレーニングが中心だった。

 「みんなはどんどん速くなる。けど自分はどんどん体力が落ちていく」と走り込む仲間を横目に落ち込む日々。折れそうな心をつなぎ止めたのは真っすぐな思いだった。「諦めたら駅伝も駄目になる。走りたい」。7月に復帰すると小さな課題をクリアすることから始め、8月の合宿から徐々に輝きを取り戻した。

 陸上と同じぐらい、勉強でも負けず嫌いだ。卒業後は上智大の外国語学部英語学科に進学。文武両道を地でいく、学校生活でも模範となる選手で「いろいろなことに最初に気付ける」と、浅賀監督からの信頼も厚い。

 2度目となる都大路は昨年区間10位と力走を披露した4区への起用が濃厚だ。「気持ちの面で強くなれたと思う。去年の自分を超えたい」。走れる喜びを、一歩一歩に刻む。

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