埼玉新聞

 

難関突破!さいたまの小6双子姉妹、そろってピアノ全国大会へ ピアニスト弓削田さん指導「期待に応えた」

  • 「いつか多くの人を感動させるピアニストに」と話す渡邉愛菜さん(前列右)と結菜さん(同左)、2人を指導するピアニストの弓削田優子さん=さいたま市中央区

 さいたま市浦和区の市立本太小学校6年の渡邉愛菜さん(12)、結菜さん(12)の双子の姉妹が今年の全日本学生音楽コンクールピアノ部門小学生の部で、日本の頂点を目指す精鋭たちが集まる全国大会に、そろって出場した。2人は「皆さんの心に届くような演奏をしたい」と今も日々の練習に励んでいる。

 小学4~6年生が出場する同コンクールピアノ部門小学生の部は9月に予選が行われ、埼玉などを含む東京大会には81人が参加。その中から10月の東京大会本選に出場するのは16人、さらにその中から4人が選ばれ、11月30日に横浜市で行われた全国大会には、各地の予選と本選を通過した13人が出場した。

 「まずは予選通過を、と思っていましたが、2人が共に高め合い、高い期待に応えてくれました」と嬉しそうに話すのは2人を指導する同市中央区のピアニストで指導者の弓削田優子さん。予選の課題曲はバッハ「シンフォニア」、スカルラッティ「ソナタ」、ツェルニー「エチュード40番、50番」と、いずれも高い演奏技術が必要とされる曲ばかりで、弓削田さんは「当初はすべての曲が仕上がるかどうかも不安だった」という。

 コンクールに向けたレッスンは、課題曲が発表となった4月に開始。週に2回、弓削田さんの指導で、音の響きやタッチといった微細な部分まで音を仕上げ、時間を忘れた猛レッスンは時に夜にまで及ぶこともあったという。

 今回の全国大会で3位に入賞した愛菜さんは「大きな舞台で演奏できてうれしい。いつか大勢の人を感動させるピアニストになりたい」と目を輝かせる。入選の結菜さんは「ピンチがあっても諦めず努力してよかった。皆の心を動かす音楽の素晴らしさを広めたい」と夢を話した。

 弓削田さんは、姉妹がそろって出場した全国最高の舞台を振り返り「2人は決して天才ではなく、全国大会出場は不断の努力の結果。双子とはいえ、音楽性や感性も違う中、理想の音を求めてさまざまなことを吸収してくれた。ピアノ演奏は心に届く芸術。育ちつつある感性を大切にしてほしい」と期待を寄せた。

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