埼玉新聞

 

いちご観光農園、松伏に20年1月開園 紅ほっぺと章姫の2種類でイチゴ狩り、移動なく食べ比べも

  • イチゴのおいしさをアピールする栽培責任者の林賢典さん(右)と従業員たち=26日、松伏町のコロコロいちごファーム

 農業法人「ファーム ティー・エス」(八潮市)は来年1月2日、松伏町にいちご観光農園「コロコロいちごファーム」を開園する。26日に関係者を招いたオープニングセレモニーが行われ、赤く色づいたイチゴが提供された。農業の活性化とともに、観光農園で集客を図る町おこしの拠点としても期待が高まる。

 約1500平方メートルの5連棟ハウスに、約1万株のイチゴ苗を栽培する。温度や湿度、給液などをコントロールする環境制御装置を完備し、立ちながらイチゴ狩りができる高設栽培で衛生的な環境。品種は紅ほっぺと章姫(あきひめ)の2種類で、畝(うね)の列を交互にして、移動しなくても食べ比べができるようにした。

 同法人は、小松菜などを生産する生産農家「しゅん・あぐり」(八潮市)と建設業の鉄建建設(東京都千代田区)が共同出資で今年4月に設立。野菜栽培と観光農園の2本柱で高収益性を目指すしゅん・あぐりと、農業への新規参入で事業拡大を図りたい鉄建建設を、武蔵野銀行(さいたま市大宮区)がマッチングした。

 しゅん・あぐり社長で、共同出資会社社長も務める臼倉正浩社長は「農業はリスクの塊。天候に左右され、資金も集まらない。でも、イチゴ農園をやりたいという思いが、皆さんの支援やご縁によって形になった」とあいさつ。鉄建建設の伊藤泰司社長は「以前から新分野へ挑戦したいと考えていた。食や観光のノウハウをため、新たな展開を生み出していく」と意欲的だ。

 松伏町としても観光客を呼び込む拠点として期待を寄せる。県東南部の5市1町で唯一人口減少しているのが同町。鈴木勝町長は「農業を町おこしの一つにして、人口減少に負けない『元気な過疎』として交流人口を増やしていきたい」と話した。

 初年度の売り上げは約1千万円を目指す。しゅん・あぐりの取引先のスーパーや農産物直売所などでの販売も予定する。

 営業時間は午前10時~午後3時。月曜定休(祝日の場合は翌日休み)。イチゴ狩り料金は40分間で小学生以上2300円(税込み)、3歳~未就学児1800円(同)、3歳未満300円(同)。予約制。駐車場有。

 問い合わせは、同ファーム(電話090・4424・9699)へ。

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