埼玉新聞

 

<埼玉駅伝>4月からプロ転向の川内優輝“31人抜き” 県庁のメンバーで最後の駅伝

  • 一般男子の部 3区で区間2位だった県庁の川内優輝(左)

 第86回埼玉県駅伝は3日、男子はさいたま新都心駅前、女子は鴻巣駅東口付近から熊谷スポーツ文化公園陸上競技場にゴールするコース(男子=6区間42・195キロ、女子=5区間20・5キロ)で男女4部門に計111チームが参加して行われた。

 一般男子の部は、武蔵野学院大Aが2時間8分0秒の大会タイ記録で初優勝を飾った。4秒差の2位でたすきを受けた2区竹内が首位に躍り出ると、ケニア人留学生の3区タイタスで突き放し、3連覇を狙った2位日本薬科大に1分39秒差をつけた。3位には新電元。県庁の3区川内は、区間2位だった。

 市町村男子の部は、上尾市陸協Aが2時間13分19秒で初の栄冠を獲得。1秒差の1位で走りだしたアンカー村松が、5連覇を目指したさいたま市陸協・斉藤との競技場内までもつれるデッドヒートを10秒差で制した。3位は埼玉滑川走友会α。

 高校男子の部は、埼玉栄が2時間8分47秒で2連覇に輝いた。3区宮坂でトップに立つと脇坂、久保田、白鳥の4~6区が3連続区間賞で、全国高校駅伝県予選、奥むさし駅伝に続く県内3冠を2季連続で達成した。花咲徳栄が準優勝。武蔵越生が3位に続いた。

 一般・高校女子の部は、昌平高が1時間10分15秒で7年ぶり2度目の頂点に立った。2位でたすきを受けた2区小松が先頭を捉えると鈴木、金田、中根で突き放し、2位埼玉栄高に4分5秒の大差をつけた。3位には本庄第一高が入った。

■最初からアクセル全開 有終"31人抜き"/川内

 4月からプロ転向するため、県庁のメンバーとして走る最後の駅伝となった川内が3区でいつも通りの激走。一般男子の部では区間2位で全部門では区間4番目のタイムだったが、「(36分48秒の)記録はまずまずで、昨年よりもだいぶいい。最低限の走りはできたかな」と笑顔で振り返った。

 13位でたすきを受け取ると、「けん制し合っている集団を後ろからすーっと抜かす。あれはなかなか楽しい」と県駅伝の醍醐味(だいごみ)を体現。最初から突っ込み、ひたすらアクセルを全開で吹かし続けて市町村、高校男子の部も含め、"31人抜き"を成し遂げた。

 県駅伝にはさまざまな思い出がある。

 中学3年間、高校3年間に出場。公務員ランナーとなってからは現在のコースで上尾駅前から鴻巣駅入口までの最長区間の3区を7年連続で走った。エジプト国際マラソンからの強行日程、区間賞獲得、さらに左足首捻挫と風邪が重なり満身創痍(そうい)の年も…。「沿道の方もたくさん応援してくれて、すごく慣れ親しんだレース。感慨深い」。もらったパワーを新たな環境でも生かしていくつもりだ。

 レース後には3月10日のびわ湖毎日マラソンへの出場を表明した。

 東京と福岡国際は3位に入ったことはあるが、びわ湖では4位が最高成績。それだけに、「市民ランナーのうちに表彰台に上がって、気持ちよくプロに転向したい。県庁のユニホームでびしっと決める」と決意を新たにした。

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