埼玉新聞

 

アナタは何しに、さいたまへ? 外国人市民が日本語でスピーチ、さいたまの日常で感じたこと発表

  • 司会からインタビューを受ける出場者

 外国人市民が日本語でスピーチするイベントが2日、さいたま市浦和区のJR浦和駅東口の施設コムナーレで開かれた。

 「外国人市民が日常で感じたことや考えたことを発表する機会を設け、相互理解と交流を深める目的」でさいたま観光国際協会が主催し、今年で17回目。

 発表のテーマは「アナタは何しに、さいたまへ?」。およそ20人の応募者の中から書類審査で選ばれたインドネシア、ペルーなど9カ国10人がスピーチに挑んだ。

 半年前にベトナムから来日したグエン・テイ・ヒエップさん(18)は1日3回、1カ月間練習したという。「いろいろチャレンジしたくて応募した。日本語を学んだらヨーロッパでも勉強するのが夢」と笑った。

 イベントには例年150人前後が訪れる。この日は223人の観客が集まった。昨年初めて観覧したという近くの加藤明美さん(56)は「アジアの人が多く出ると知り、興味を持った。聞きやすく内容も素晴らしいスピーチに感動して、今年も聴きにきた」と話す。

 発表の司会も外国人2人が務めた。イタリア出身のレラ・マリアさん(22)は「司会は初めてでとても緊張したが、楽しかった」と話す。

 “お互い様の心で賞”などユニークな名前の賞が贈られ、最優秀賞は「さいたま市あっての私」をスピーチしたインドのアトレー・シュレヤスさん(22)が受賞。「さいたま市は僕にとっての実家。実家に帰ってきたという思いを伝えた」とほほ笑んだ。

 主催者担当は「当初は出場者を探すのに苦労したこともあるが、応募者が増えた。イベントがより多くの外国人市民の自己啓発や生活意欲向上のきっかけとなり、多文化共生社会の推進につながれば」と話している。

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