今年1月、さいたま市西区の住宅で現金などを奪い、住民の80代女性にけがをさせたとして男3人組が逮捕された事件で、県警捜査1課と大宮西、川口署の合同捜査班は3日までに、強盗未遂と窃盗容疑で、いずれも住所不定、無職の19歳の男3人を再逮捕した。3人は昨年12月から関東地方で相次いだ一連の強盗事件などに関与したとして、これまでに警視庁や千葉県警などに逮捕されていた。埼玉県警が逮捕するのは2度目。

　再逮捕容疑は共謀し、1月5日午前3時36分ごろ、川口市並木2丁目の路上に駐車中の乗用車の後部ドアガラスをバールで壊し、降車した東京都新宿区の会社員男性（26）から金品を奪おうとした疑い。さらに同月3日午後11時～翌4日午前8時20分ごろ、同市並木3丁目のコインパーキングに駐車してあった岐阜県の無職女性（37）の乗用車の窓ガラスを割り、会員カード等48点在中のカードケース（時価千円相当）を盗んだ疑い。県警は共犯事件のため、認否を明らかにしていない。

　捜査1課によると、強盗未遂事件では男性が車内で帰宅ルートを検索中に3人組が現れ、バールで窓ガラスを壊したが、降車した男性に詰め寄られ、もう1本のバールを取り上げられたため、その場から逃走した。今回の2件の犯行車両は西区の強盗致傷事件で使用したレンタカーではなく、ワゴン車だったという。ワゴン車は3人のうちの1人の親族名義だった。県警は防犯カメラの精査や車両の捜査から3人の犯行を特定。2本のバールと盗まれた会員カードの一部を押収している。

　3人は「西川口駅周辺の高級外車を狙え」「強盗と窃盗をやれ」などと命令されていた旨の供述をしていて、実際に両方の事件ともにJR西川口駅東口の繁華街の一角で、高級外車が被害に遭った。県警は指示役の共犯者がいるとみて、調べている。