ユネスコ登録で脚光、和紙の原料を皮むき天日干し 東秩父の有志が終日作業、今では集落の“風物詩”
2020/01/06/00:00
和紙の里・東秩父村坂本の山里で、和紙の原料となる楮(こうぞ)の「楮かしき・皮むき」作業が行われている。
楮はクワ科の植物。地元では「かず」と呼ぶ。村の観光拠点「和紙の里」の依頼を受け「柴観光果樹農園組合」(田中求組合長)の有志が栽培、同施設に提供している。
18年ほど前、「和紙の産地を守る手助けになれば」と始まった楮の栽培。2014年11月には、特産の細川紙の紙すき技術がユネスコ無形文化遺産登録され、脚光を浴びた。
今シーズン、本業の傍ら収穫した楮の木は約1・5トン。楮かしき・皮むきは年末年始の恒例行事。今では柴集落の正月の"風物詩"だ。
5日は午前6時40分から作業を始めた。約85センチに切りそろえた楮の木を束ね、根元を下にして大釜で蒸した。蒸しあがると楮の木の表皮のむき取り、天日干し作業を終日行った。表皮が紙の原料となる。保管するため20日ほど、日光に当てる。