借金200万円の返済免れたい…知人を殺害、空き地に埋める 不動産コンサルの男に無期懲役/さいたま地裁
2020/01/09/00:00
借金の返済を免れるため2016年に春日部市の知人男性=当時(73)=を殺害し、群馬県内の空き地に遺体を埋めたとして、強盗殺人と死体遺棄の罪に問われた不動産コンサルタント宮口義弘被告(60)の差し戻し裁判員裁判の判決公判が8日、さいたま地裁で開かれ、田尻克已裁判長は、強盗殺人罪を認定して求刑通り無期懲役を言い渡した。
判決理由で田尻裁判長は、借金の返済を先延ばしにしていた被告が、露見する可能性の高いうそをついて追い込まれていた状況や、遺体の口などに巻かれていた粘着テープを事前に購入していたことなどから「強い殺意があったことは明らか」と指摘。
借金200万円の返済を免れること以外に動機は考えられないとして強盗の犯意についても認め、「身勝手な動機による卑劣で悪質な犯行」と断じた。
18年2月の一審さいたま地裁判決は、単独か氏名不詳者による犯行と認定。強盗殺人罪の成立には「証拠上、合理的な疑いが残る」として殺意を認めず、傷害致死と死体遺棄の罪で懲役10年を言い渡したが、被告と検察双方が控訴した。
二審東京高裁判決は昨年2月、一審の裁判官による違法な訴訟指揮があったとして審理を差し戻していた。
判決によると、宮口被告は16年2月3日ごろ、県内またはその周辺で、森重正三さんを手段不明の方法で殺害。同月5、6日ごろ、群馬県藤岡市内の空き地まで運び、土中に埋めて遺棄した。