<成人式>中学校に埋めたタイムカプセル、新成人が発掘 土の中からの“思い出”に歓声「懐かしい」
桶川市立桶川中学校(磯田輝昭校長)で12日、新成人となった卒業生が5年前に中庭に埋めたタイムカプセルを発掘、未来の自分に書いた手紙などを受け取った。土の中から出てきた“思い出”に「懐かしい」「恥ずかしい」とそれぞれの思いが飛び交った。
タイムカプセルは2014年度卒業生181人が5年前の3月13日に埋めた。5クラスがそれぞれ一つ、果実酒びんに体育祭で作ったクラスの旗や学級目標の掲示物、自分や友達への手紙などを入れた。
企画したのはお別れ会の担当で当時3年3組の担任だった石川優子教諭。「ずっとやってみたいと思っていた。たくさん3年生を持ったけれど実現できたのは後にも先にも初めて。みんなが立派な成人になって集まってくれてうれしい」と感動した様子で話した。
この日、タイムカプセル発掘式に集まった卒業生は88人。大学などに通っていて市外に住んでいる人も駆け付けた。教員は、当時教頭だった磯田校長と担任教諭4人が参加。
中庭で男子らが中心になって、5年前に埋めたと思われる場所をシャベルで掘り始めると「何を入れたのか全然覚えていない」「どうなっているんだろう」と不安や期待の声が聞こえてきた。が、間もなくタイムカプセルが掘り起こされると「あった」「出た」などと歓声が上がった。
追分陸さん(20)はクラスメイトから「明るく楽しいテンションが超面白かった」と書かれた手紙を見て「懐かしい。うれしい」と喜んだ。自分への手紙では「彼女がいたら大切にしてね」と書かれていて「大切にしています」と笑った。
斎藤彩夏さん(20)は「怖くて見られない。家に帰ってからこっそり読みます」とはにかんでいた。
びんが壊れてしまったクラスもあり、手紙などが読めず乾かす姿もあった。「これこそタイムカプセル」と石川教諭。
実行委員として司会を務めた木村拓朗さん(19)は「事前に何回か集まって相談してきた。成功して良かった」とほっとした表情を見せ、同じく竹本博紀さん(19)は「予想ではこんなに来てくれると思ってなかった。会うのが久しぶりの人もいて、先生方に感謝です」と話していた。
卒業生らは、記念写真を撮ったり、懐かしい校歌を斉唱して旧交を温めていた。
市の成人式は13日に行われた。