埼玉新聞

 

住宅密集地で平屋住宅が全焼、焼け跡から3人の遺体 高齢夫婦と長男か、住民3人と連絡取れず/羽生

  • 住宅が全焼し、3人の遺体が見つかった現場=14日午前10時ごろ、羽生市北3丁目(画像を一部加工しています)

 14日午前1時半ごろ、羽生市北3丁目、谷口浩二さん(80)方から出火しているのを近くに住む女性が見つけ、119番した。約1時間半後に消し止められたが、木造平屋の住宅が全焼し、焼け跡から3人の遺体が見つかった。

 羽生署によると、谷口さん方は谷口さんと妻(79)、長男(54)の3人暮らし。自宅で靴の中敷きを加工する仕事をしていたという。3人と連絡が取れず、同署は遺体が3人の可能性が高いとみて、司法解剖して死因を調べるとともに、身元の確認を進める。

 現場は羽生駅から北に約750メートルの住宅密集地。出火当時、火の勢いは激しかったものの類焼は免れた。同署で出火原因を調べている。

■「仲の良い家族」知人らショック

 羽生市北3丁目で起きた住宅火災では、3人が遺体で見つかった。夜が明けると、黒焦げの柱だけが残され、火災のすさまじさを物語っていた。

 羽生市役所近くに住む女性(76)は「実家が近いので、谷口さん方とは昔から交流がある。浩二さんとは毎日のように市内のプールで会っていた。奥さんも長男もいい人。仲の良い、いい家族」と話す。

 女性によると、浩二さんは普段は野菜作りをしていて、午後は毎日のようにプールで泳いでいるという。「80歳だけど、元気いっぱい。25メートルをすごく速く泳げる。娘さんの孫3人ともよく遊んでいる」と話し、知人宅の火災に大きなショックを受けていた。

 近所の女性(75)は出火当時の様子について、「夜中に近所が騒がしくなったので外を見たら、谷口さん宅から真っ赤な炎が上がっていた」と話した。住宅密集地で起きた火災に「火がすごくて、かなり燃えていた」と、火災のすさまじさを繰り返し語っていた。

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