埼玉新聞

 

戸田恵梨香さんと大原櫻子さん主演、疎開保育園を描いた映画完成 「あの日のオルガン」舞台の蓮田で試写会

  • 特別先行試写会であいさつする平松恵美子監督=蓮田市の市総合文化会館ハストピア

 蓮田市(当時の平野村)の妙楽寺を舞台に子どもの命と平和をテーマにし、国内で初めて疎開保育園の史実を描いた映画「あの日のオルガン」が完成し、特別先行試写会が同市の総合文化会館ハストピアで行われた。映画は22日から全国で公開される。

 太平洋戦争末期の1944(昭和19)年11月、空襲を避けるため、東京から妙楽寺に疎開した3~6歳の園児53人と保母11人の約1年間にわたる日常生活は過酷なものだった。

 しかし、戦火から子どもたちの命を守ろうとした保母たちの信念は固く、村人たちに支えられながら53人の命を守り抜き、次の平和な時代へ送り出した。

 昨年2月、映画化の話を知った市民グループが、映画の製作と上映に向けた運動を展開。蓮田市では多くの市民団体の代表者が呼び掛け人となった。

 呼び掛け人一同は「今後は上映実行委員会を立ち上げ、今夏に蓮田市内で開催する予定。誇りある蓮田の史実を描くこの映画の上映を通じて、子どもたちの命や平和の尊さについて多くの人たちに伝えていきたい」と話す。文部科学省特別選定作品・厚生労働省社会保障審議会推薦。

 この日は約600人が来場し、映画を鑑賞。平松恵美子監督は「ラストシーンにいろいろな思いを込めた。過去から今、未来につながる映画だと思っています」とあいさつした。

 映画は戸田恵梨香さんと大原櫻子さんがダブル主演。ほかに佐久間由衣さんや堀田真由さん、夏川結衣さん、橋爪功さんらが出演。監督・脚本は平松さん。上映時間は120分。

 県内で公開予定の劇場(昨年12月現在)はMOVIXさいたま▽MOVIX三郷▽イオンシネマ浦和美園▽こうのすシネマ―の4カ所。全国共通特別鑑賞券は一般1200円(税込み)。

 問い合わせ・申し込みは、埼玉映画文化協会(電話048・822・7428)へ。

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