県ラグビー協会で横領の疑い、元事務局員の女逮捕 協会の使途不明金902万円、余罪を捜査/熊谷署
県ラグビーフットボール協会の運営費に使途不明金が見つかった問題で、協会の口座から現金を引き出して着服したとして、県警捜査2課と熊谷署は16日、業務上横領の疑いで、行田市斎条、元協会事務局員の派遣社員の女(52)を逮捕した。「協会のお金を横領したことは間違いない」と容疑を認めているという。
協会は昨年9月、記者会見し、約902万円の使途不明金があったと発表。県警は同年8月、協会から告訴状を受理しており、余罪もあるとみて調べる。
逮捕容疑は、2017年6~9月、協会名義の預金口座から出金した現金計約40万円を横領した疑い。
同課によると、女は熊谷市内に設置された現金自動預払機(ATM)で5回にわたって計約114万円を引き出し、うち約40万円を高級ブランドバッグなどの購入に充てていた。横領した現金は、協会の講習やスクール、イベントに使う費用として県から補助を受けていたものだった。
女は16年7月に採用され、別の事務局員と2人で協会の会計を担当。通帳やキャッシュカードなどを管理していた。発覚を免れようと、協会の帳簿を改ざんしたり、監査の際に通帳を提出しないことがあったという。昨年1月に退職した。
県警は16日、女の自宅を家宅捜索し、本人名義の通帳やキャッシュカードを押収した。
協会によると、18年12月、年度末会計で収支を調べた際、使途不明金が発覚した。協会はラグビートップリーグの試合や全国高校選抜大会の運営のほか、熊谷でも開催された昨年のラグビーワールドカップ(W杯)日本大会の準備などに携わった。女は被害の一部について、昨年11月ごろから弁済に応じているという。
協会の会長を務める富岡清熊谷市長は「誠に遺憾で、多くの方々に多大なる迷惑をお掛けしたことに対し、深くおわび申し上げる。今後は第三者委員会からの提言などを受け、協会内の体制を整え運営していきたい」とコメントした。