さいたま市桜区道場2丁目の集合住宅一室で住民のパート従業員安保王子（きみこ）さん（24）と長男大翔（はると）ちゃん（3）が刃物で切られ死亡した事件で、浦和西署の特別捜査班は19日、大翔ちゃんに対する殺人の疑いで、同居する王子さんの兄で無職の男（26）を再逮捕した。

　再逮捕容疑は昨年12月8日午後6時ごろ、自宅で、大翔ちゃんの頭や顔を刃物で複数回切り付けて殺害した疑い。「間違いない」と容疑を認め、王子さんと大翔ちゃんに恨みがあったような趣旨の供述をしているという。

　捜査班によると、男は母、兄を含めた5人暮らし。当時自宅には男と王子さん、大翔ちゃんしかいなかった。母は王子さんがパートから帰宅した数分後に外出。その際、王子さんは大翔ちゃんと遊んでいて、男は自分の部屋に一人でいたという。

　王子さんは台所で倒れており、大翔ちゃんは寝室で発見された。捜査班は男が所持していた包丁や、寝室から別の刃物も押収している。

　同日午後6時10分ごろ、近所住民の男性が「赤ちゃんの泣き声と男の笑い声が聞こえる」と110番。警察が駆け付けたところ、男が包丁を持って向かってきたため、公務執行妨害で現行犯逮捕。同月30日には、王子さんに対する殺人の疑いで再逮捕していた。