埼玉新聞

 

埼玉中小企業家同友会【設立50周年・地域に生きる(13)】山崎メディアミックス・山崎清彦代表、この街が好き 胸張って

  • 「地域の魅力を考えるようになった」という山崎メディアミックスの山崎清彦代表。インタビュー動画の製作にも力を入れる

    「地域の魅力を考えるようになった」という山崎メディアミックスの山崎清彦代表。インタビュー動画の製作にも力を入れる

  • 「地域の魅力を考えるようになった」という山崎メディアミックスの山崎清彦代表。インタビュー動画の製作にも力を入れる

 埼玉県内の中小企業経営者らが加盟する埼玉中小企業家同友会(会員約千人)が今秋、設立50周年を迎える。経営を学ぶ「社長の学校」として1974年に設立。コロナ対策に加え、原材料費やエネルギー価格の高騰を受けながら、地域の課題解決をビジネス化し、「ウィズ・コロナ」を見据えた新事業を展開するなど個性的な企業が多く集まる。人を生かし地域に生きる地元企業16社を紹介する。

■山崎メディアミックス(越谷市)山崎清彦代表

 同友会が掲げるビジョンの一つに「地域づくり」がある。これを実践するのが越谷市の映像制作会社、山崎メディアミックスの山崎清彦代表(51)。自社の事業と絡めながら地域の活性化に取り組む。東武伊勢崎線せんげん台駅西口から徒歩3分。地元商店会の会長を4年間務め「せんげん台の街が大好き」と胸を張って言う。

 とにかくアイデアには事欠かない。現在企画するのは商店会のトレーディングカード。事業者ごとに写真付きのカードを作り、それを集めてゲームで遊べるようにする。2021年には近隣の商店会員を紹介する冊子「つながる!せんげん台」を作った。今年3月に実施したのは「おかえりせんげん台」運動。会員らが家路につく人や店舗の利用者に「おかえり」と声をかける。

 背景には商店会員の減少や空き店舗の増加、若者の人材流出など地域の課題がある。「いろんな人と連携して一緒にやっていく。人と人がつながる企画を考えて地域を盛り上げたい」と知恵を絞る。

 もともと商店会に入ったのは母の一言。06年に法人化した際、「ここで働くなら入りなさい」と勧められた。その母は17年に他界。18年には会長不在になり、白羽の矢が立った。同じ頃、同友会に加入し「地域って何だろう」と真剣に考えるようになった。同会の地域づくり委員会の一員として越谷市の中小企業振興計画の策定にも関わった。

 映像という自身の得意分野も生かし、越谷を舞台とした情報バラエティー番組を動画投稿サイト「ユーチューブ」で生配信。事業では記念日を収めるインタビュー動画に力を入れる。「地域=ボランティアになってしまうのは嫌。採算を取って皆が潤うようにしていきたい」と経営者目線で地域貢献を図る。
 

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