中華鍋振って60年! 関東各地で縁つないだ81歳店主、人気は「五目ラーメン」 東松山の「中華料理 飛龍」
埼玉県東松山市上唐子の県道高坂・上唐子線沿いにある「中華料理 飛龍」。1985年にオープンした。店主の矢地俊昭さん(81)は「妻(光子さん)の支えがあって、今の飛龍がある」と振り返る。
矢地さんは、富山県氷見市の出身。中学卒業後、東京・浅草の八百屋に1年余り勤めた。それが縁で「中華の世界」に入った。最初は草加の中華料理店。その後、系列の東京・足立区の店で働き、腕を磨いた。37歳の時に独立、茨城県三和町(現在の古河市)で中華料理店を開業した。都内では「環七通り」沿いに住んでいて、車の排気ガスから家族を守るために空気の良い地に移住した。しばらくすると店の評判も良く、常連客もついたが、車の通行量も増え光子さん(76)がバイクで出前中、交通事故に遭い、再移住を決めた。
その新天地が東松山市唐子地区だった。自然豊かで、近くに都幾川も流れ、すっかり気に入った。開店直後は出前の注文もあったが、一切やめた。それでも少しずつ人気が広がり、幅広い人たちから愛される店になった。市外や県外から来る人も多い。
ある時、常連客から「東上線の車内で、飛龍の五目ラーメンが話題になっていたよ」との話を聞いた。「うれしかったね」。これはしょうゆベースのスープに豚肉、キャベツ、タケノコ、キクラゲ、ニンジン、長ネギ、ウズラの卵に加え、多めのレバーが入った、人気メニューの一つ。
2000年から都内や山梨の中国料理店で“修行”した長男の光昭さん(51)が店に入った。今では早朝5時からのスープやギョーザの仕込みは光昭さんが担当している。矢地さんは「心強い、頼もしい。よくやってくれている」と話す。
【主な人気メニュー】五目ラーメン935円、チャーハン770円、餃子490円、ニラレバ炒め825円、酢豚1485円、鳥の唐揚げ1375円、タンメン825円、ねぎラーメン825円、もつ煮550円など。
【メモ】飛龍 埼玉県東松山市上唐子770の1(電話0493・24・4986)。営業時間は午前11時~午後3時、午後5時~同9時。火・水曜が定休日。今月17日は臨時休業。