埼玉新聞

 

快挙を達成 久喜工高3年の2人、情報処理技術者の難関国家資格試験に合格 参考書読破、過去問題を研究

  • 経済産業大臣名入り合格証書を手にする吉田紫穏さん(左)と小早川和慶さん=久喜市の久喜工業高校

 県立久喜工業高校(猪野敏夫校長)情報技術科の生徒2人が情報処理技術者の難関国家資格試験にそろって合格する快挙を達成した。

 同科3年の吉田紫穏さん(17)はサイバーセキュリティーのプロ「情報処理安全確保支援士試験」に、同3年の小早川和慶さん(18)は高度IT人材としての知識や技能を持つ「応用情報技術者試験」に合格。2人はともに「情報技術で世界を変えたい」と今後の飛躍に思いをはせる。

 吉田さんが合格した情報処理安全確保支援士試験は、所定の登録手続きを行うことで、国家資格「情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)」の資格保持者となり、サイバーセキュリティーの専門的な知識や技能で安全な情報システムの企画や運用を支援する。

 同高によると大学院生、大学生らを含む県内学生の本年度の合格者数は春期、秋期試験合わせて10人で、高校生は吉田さんが唯一の合格者。

 小早川さんの応用情報技術者は、情報技術や管理、経営まで幅広い知識と応用力があることが問われ、システム開発やIT基盤構築で活躍し、企業や社会で情報技術を活用した戦略を立案する役割を担う。本年度の県内高校生の合格者は3人。吉田さんも春期試験で同試験に合格している。

 同高情報技術科長の酒井一英教諭(47)は「試験を受けられる時点で相当な技術を身に付けており、高い水準で結果を残せたことは快挙。本人たちのたゆまぬ努力の結果で、さらなる高みを目指してほしい」と期待を寄せる。

 課題研究でカメラで撮影した動画からの顔認識システムを研究するなど、普段から互いに切磋琢磨(せっさたくま)を重ねる2人。今回の合格の要因を「参考書読破、過去問題の研究」と共に笑顔で振り返る。

 専門学校でさらに学び、画像認識・加工や音声解析などを行うITエンジニアを目指すという吉田さんは「情報やAIで世界に負けていられない」と力を込める。

 人の言葉をコンピューターで処理する「自然言語処理」を大学で研究するという小早川さんは「自然言語処理で世界を変えたい」とそれぞれに技術者として、将来の夢を話している。

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