児童生徒の自殺者2倍に 県教育局、問題行動や不登校などを調査 いじめ・暴力の件数、過去最多
2020/02/02/00:00
県教育局は1日までに、2018年度の県内公立学校における児童生徒の問題行動や不登校などに関する調査結果を発表した。自殺者数は前年度比11人増え20人となった。中学校では8人(同4人増)、高校では12人(8人増)、小学校では自殺者はいなかった。同局生徒指導課は「極めて憂慮すべき状況。子どもが自ら助けを求められるように、自殺予防教育に力を入れる必要がある」と話した。
調査は県内の公立小中高校と特別支援学校の計1415校(さいたま市含む)を対象に18年4月1日~19年3月31日までの1年間実施された。
調査結果によると、小中高校と特別支援学校におけるいじめの認知件数は1万8259件(5850件増)で、小中高校における暴力行為の発生件数は3509件(948件増)となり、それぞれ1994年、98年の県内における調査開始以来最多となった。
いじめを認知した学校数が学校総数に占める割合では、小中学校で全国平均を上回り、小学校では93・0%に当たる754校、中学校では95・7%に当たる397校。件数の増加について同課は「国は調査などでいじめの認知に積極的に取り組んできた。初期のいじめも含め、いじめに対する意識が高まっている」との見方を示した。また、不登校、病気などによる長期欠席者数は小学校で4354人(740人増)、中学校で8008人(658人増)、高校で3217人(85人減)。高校における生徒千人当たりの不登校生徒数は県(21・8人)が全国(18・1人)を上回った。
高校における中途退学者は全体で1412人(57人減)。全日制で在籍生徒の0・9%の1053人(2人減)だった一方、定時制では7・2%の333人(54人減)、通信制では0・9%の26人(1人減)だった。