ヨーロッパ×中華?!一味違う「五目冷やし中華」をぜひ 電話番号もまさかの「野菜」 さいたまの「中華楼」
JR北浦和駅西口から徒歩5分。埼玉県さいたま市浦和区の「中華楼」は、ふれあい通りに店を構える。1960年に東京都世田谷区で創業し、67年に現在の場所へ移転した。当時は近くに埼大があり、町工場が林立していた。商いになると踏んでの決断だったが、埼大は移転し、町工場は次々とマンションに変貌した。
県中華料理生活衛生同業組合専務理事で店主の菊地克己さん(60)は2代目。同組合長を務めた父親の故正三さんの後を継いだ。克己さんは「引きずり込まれた。当時は継ぐのが当たり前だった」と振り返る。
克己さんは東京・上野で修業時、勤務先の寮で火災の被害に遭った。20代は入退院を繰り返したという。自身の健康面、チェーン店との差別化を図ろうと、四季折々の野菜をたくさん食べられる中華料理店を推してきた。野菜のつながりにより人脈が広がり、さいたま市産を含め千葉、愛知、和歌山、東京などのヨーロッパ野菜も食材に取り入れている。夏場に人気の「五目冷やし中華」(1350円)は、海鮮など定番の食材のほかに、白と紫のカリフローレ、ズッキーニ、ラディッキオ、ケールなどが彩りを添えている。
常連客は小学生からお年寄りまで幅広く、コロナ禍に支えられた。客に合わせて、辛さの味付けを調整したり、卵アレルギーの子どもに卵抜きチャーハンを作ることもある。町中華について、「お客さんに対して、小回りを利かせられのがいいところ。食べて喜んでもらえることがモチベーションになる。あと20年は頑張りたい」と笑顔で語った。
【主な人気メニュー】手作りが自慢のギョーザ5個(480円)、春巻き3個(800円)、シューマイ4個(480円)。ヨーロッパ野菜を中心に、季節に応じて炒めものやあんかけ料理を提供している。
【メモ】中華楼 さいたま市浦和区常盤10の9の13(電話048・831・1616)。電話番号の語呂合わせ「やさい・いろいろ」は偶然だという。営業時間は午前11時半~午後2時、午後5時15分~同9時半。定休日は火、水曜日。