<熊谷小4ひき逃げ>母親作成のチラシ、バスに掲示 国際十王交通の57台に「力になれば」 情報求める
熊谷市で2009年、小学4年の男児=当時(10)=が死亡した未解決のひき逃げ事件で、情報提供を求め続ける母親が作成したチラシが、同市内を走る路線バスに掲示されている。県外の交番にも掲示を依頼するなど活動の範囲は広がり、母親は「多くの人に見てもらえたら」と期待している。
バスの出入り口ドア付近、つり革の少し上に「犯人を捜しています 懸賞金100万円」と書かれたチラシが目に留まる。時効が延長になり作り直されたチラシは、犯人逮捕を願う母親の思いを乗せて県内を走る。
チラシが張られているのは国際十王交通(熊谷市)が運行する路線バス57台。県警が同社に依頼し、1月中旬から熊谷市を起点に県北部や東松山市方面などを走行するバスで掲示を始めた。
同社では約1年前から、事件についてのチラシをバス内に掲示していたが、今回、現場の詳細や母親のブログ説明などが記載された新しいものに改めた。
同社熊谷営業所の小室聡所長は「熊谷市内で発生した事故ということもあり、微力でも力になれば」と県警の捜査や母親の活動に協力する。
事件は09年9月30日、熊谷市本石の市道で発生。自転車で帰宅途中だった小関孝徳君が死亡した。事件は昨年、危険運転致死罪(当時)で捜査が継続されることとなり、時効は10年間延長された。
母親は事故発生当時から、現場となった道路を通る車のナンバーチェックを実施。これまで約10万台分の情報を県警に提供してきた。
地道にナンバーを調べる中で気付いたのは、県北部や県外の利用者も多いこと。市民の生活道路となっている市道だが、利用者は群馬県など県外にも及んだ。
「県を越えて呼び掛ける必要がある」。母親の切実な思いを受け、県警が群馬県警にチラシの掲示を依頼。現在、同県警太田、大泉署管轄の複数の交番や駐在所で掲示されているという。
母親は「バスは熊谷市外まで走っている。バスや交番でいろいろな方に見てもらえる」と話した。
母親のブログは「《未解決》熊谷市小4男児ひき逃げ事故!」。事故後に突然、転居した人や車を廃車にした人など広く情報を求めている。