埼玉新聞

 

息子に渡す300万円を…落ち着かない男性来店 JA支店長が息子に電話、詐欺防ぐ 東入間署が感謝状

  • 小笠原正男署長(右端から)から感謝状を贈呈されたコンビニ・パート店員の井上宏美さんとJAいるま野みずほ台支店次長の渡辺裕介さん=東入間署

 従業員らの機転により振り込め詐欺被害を未然に防止したとして、東入間署は、三芳町藤久保、コンビニエンスストア「ローソン富士見上沢公園前店」パート店員、井上宏美さん(49)と富士見市西みずほ台、JAいるま野みずほ台支店(鈴木徹支店長)に感謝状を贈呈した。

 同署などによると、昨年12月1日午後零時55分ごろ、同コンビニ店にふじみ野市の会社員女性(76)が来店。レジにいた井上さんに「ビットコイン30万円分を購入したい」と話した。使途を尋ねたところ、女性が「携帯のサービス料金を支払う」と答えたため、詐欺を直感した井上さんが110番通報した。

 駆け付けた同署員が事情を聴いたところ、女性方に同日、男から電話があり「携帯のサービス使用料が29万9600円ある。ビットコインで支払ってほしい」と要求されていたという。

 また、昨年12月2日午後3時過ぎごろ、同支店に富士見市の無職男性(79)が来店し、窓口で「300万円を引き出したい」と申請。馴染みの組合員だったため、近くにいた鈴木支店長が使途を尋ねたところ、「息子に渡す」と話すだけで落ち着かない様子だった。その場で支店長が男性の息子の携帯に電話を入れたため、詐欺と分かった。

 感謝状を受け取った井上さんは「買い物に来てくれていた常連さんだったので防止できて本当によかった。感謝状はもらえるとは思っていなかったのでびっくりした」、同支店の渡辺裕介次長(43)は「職員には振り込め詐欺の注意喚起をしており、その成果が出た」と話していた。

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