埼玉新聞

 

<高校サッカー>武蔵越生、10年ぶり4強入り 昌平と正智深谷、西武台も準決勝進出/新人大会

  • 聖望学園―正智深谷 後半ロスタイム、正智深谷・山本(左から2人目)がゴールを狙う。GK久和

  • 昌平―西武文理 前半39分、昌平・篠田(左奥)が先制点を決める

 (第2日、9日・昌平高校ほか)

 準々決勝の4試合を実施し、昌平、武蔵越生、正智深谷、西武台がそれぞれ勝って4強入りを決めた。準決勝進出は武蔵越生が10年ぶり、昌平と正智深谷がともに2年連続、西武台が4年連続。

 西部地区予選2位の武蔵越生は、前半35分に米山が奪った1点を守り切り成徳大深谷に1―0。9年ぶりの頂点を狙う正智深谷は、前半30分に寺田のクロスを川井がヘッドで押し込み、聖望学園に1―0で競り勝った。

 今冬の全国選手権ベスト8で2連覇を目指す昌平は、1年生篠田の2ゴールなどで西武文理を4―0と圧倒。5年ぶりの優勝を狙う西武台は、埼玉栄との点の取り合いを4―2で制した。

 準決勝は15日、川口青木町公園陸上競技場で昌平―武蔵越生(11時)正智深谷―西武台(13時)のカードで行われる。

■勝利こそ成長の源/正智深谷

 正智深谷が、聖望学園との強豪私学同士の一戦をしぶとく制した。

 試合を動かしたのは前半30分。左CKは一度ははね返されたものの、寺田の右クロスを攻め残っていたセンターバック(CB)川井が頭で押し込んだ。好機を生かし切れない中で、この1点が結果的には決勝点となり殊勲の川井は「こういう厳しい試合はセットプレーで取り切ることが重要」と胸を張った。

 1試合を通して、好機の数やシュート数で圧倒し、守備で危ない場面も少なかったがスタッフ陣の見方は違った。「すぐに後ろを向いて時間かけて、判断も遅い。ちぐはぐ」と小島監督。大声で指示を送った金井コーチも「まだまだ技術や判断で欠けている部分がある。経験が足りない」と注文を付ける。

 ただ、厳しい言葉は期待の裏返しだ。「この時期に1試合でも多く公式戦を経験できるのはいいこと」と指揮官。西武台との準決勝へ、主将のCB大塚は「みんなで共通意識を持って臨む」と気を引き締め、2トップの一角を担う山本は「1点でも多く取って、決勝に行きたい」と言葉に決意を込めた。

■高校選抜の3人戻り、攻守で活性化/昌平

 昌平は、延長後半に逆転して辛勝だった前日の1回戦から、日本高校選抜の3人(小見、須藤、柴)が戻り、先発に名を連ねたこの日は、見違える内容。一方的に攻め込み、西武文理をシュート0本に封じるほぼハーフコートゲームを展開し、藤島監督は「ボールを動かす中で、ゴールを目指す選択肢が増えた」と納得の表情で振り返った。

 ボランチの柴がボールを回収すれば、トップ下の須藤は推進力を生み出し、ワントップの小見が裏への巧みな動き出しでゴールに迫った。攻守の切り替えの速さも際立ち、先制点など2得点の1年生篠田は「2次攻撃、3次攻撃を仕掛けることができた」と力を込めた。

 後半20分に、縦パスに抜け出し、チーム2点目を奪った小見は「決めるところで決め切ることにこだわって、突き詰めていきたい」とさらなる成熟へ意欲を示した。

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