埼玉新聞

 

<新型肺炎>菌の遮断に成功したマスク注文殺到、羽生の会社フル稼働 手洗いすれば繰り返し使用可で人気

  • 互福衣料の制止菌マスクと、ベトナム政府から贈られた商品認定証=羽生市上新郷

 新型コロナウイルスの感染拡大で、県内のマスク製造会社も対応に追われている。1895年創業、羽生市の衣料品製造業「互福衣料」では、同社が開発した制止菌マスクの注文が国内外から殺到。従業員たちがフル稼働している。

 同社の制止菌マスクは、ウイルスを侵入させにくい特殊素材を使った6層構造が特徴。医療専門家による実験では、菌の透過遮断に成功した実績があり、湯で手洗いすればシーズンを通して繰り返し使えるのも人気という。

 新型コロナウイルスが検出された頃から中国や韓国などから注文が殺到。宮城県大崎市の工場では通常の4倍近くのペースでマスクを製造しているが、約40人の従業員がミシンで一つ一つ作るため、需要に供給が追い付かない。

 国内の企業や個人からも注文が相次ぎ、現在はインターネット販売を中止。電話受け付けのみで対応している。同社の青木恒雄専務は「今は品薄状態で、皆さんの期待に応えられないこともある。従業員たちが懸命に作業しているので、もう少し待ってほしい」と話す。

 同社は、スポーツウエアや学生服の製造がメインだが、中国の広東省で重症急性呼吸器症候群(SARS)が流行した2003年ごろから、ボランティアの一環としてマスクの製造を始めた。衣料素材を有効活用し、手作業で丁寧に仕上げられたマスクは世界各国で評価され、07年にはベトナム政府から商品認定証が贈られた。

 青木専務は「困っている人に届けることがわれわれの使命。これからもボランティアとして始めた当時の気持ちを忘れず、安心な商品を作っていきたい」と話している。

 互福衣料の問い合わせは(電話048・561・0069)へ。

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