眼病検診費用を助成へ ふじみ野市が予算案を提出 県内初 眼科疾病を早期発見、早期の治療を目指す
ふじみ野市は12日、自覚症状がなく視力が弱まったり視野が狭まる緑内障などの眼科疾病を早期発見し、早期の治療につなげるため、46歳と56歳の市民を対象に検査費用を助成する事業「緑内障検診」を実施することを決めた。
2020年度一般会計当初予算案に検診助成費を計上し、20日開会予定の3月議会に提出。可決されれば、新年度から実施する。県内の自治体で緑内障など眼科疾病を対象にした助成検診事業を実施するのは初めて。
市などによると、緑内障は、視神経に異常が起こり、視力や視野の障害が引き起こされる病気。40歳以上で約5%が罹患(りかん)すると推定されているが、潜在患者の9割は自分で気付かず、治療を受けていない。最悪の場合、失明する恐れもあり、早期発見や早期治療が重要とされている。
新年度の緑内障検診は46歳と56歳の市民計約3600人が対象。
5月中に対象者に受診はがきを郵送し、希望者は6月から11月までの間に市内の医療機関で予約し、視力や眼圧検査、顕微鏡による角結膜、水晶体の観察などを実施。緑内障だけでなく、糖尿病性網膜症や黄斑変性などの眼科疾患についても判定する。
受診者は、自己負担として受診料千円を支払う。生活保護受給者は無料。市は受診率を約1割と想定しており、新年度予算に1人約7400円の助成で計約336万円を計上している。
市保健センターによると、19年の市議会で市議から緑内障検診の助成制度を求める質問が出されていた。その後の調査で、東京都豊島区や大田区など都内の自治体では成人眼科検診として、緑内障や白内障などの検査を実施していることから、導入に向けて医師会など関係機関と協議していた。
高畑博市長は「緑内障は自分では分からず、悪化してから分かるので完治するのが難しいと聞いている。市として市民の健康増進に力を入れており、早期発見、早期治療のためにぜひ受診してほしい」と呼び掛けている。