LGBT支援団体代表、伊奈で多様性語る 自分LGBTかもと思った子、一番話せない親…話せる社会目指す
伊奈町で、男女共同参画講演会が行われ、性的少数者(LGBT)の子ども・若者を支援している団体「にじーず」の代表遠藤まめたさんが「性はグラデーション 一人ひとりを大切にできる社会へ」と題して多様な性について話した。
参加者はゲーム形式で行われた分かりやすいワークショップでLGBTへの理解を深めた。
LGBTは性的指向が同性に向いているレズビアン、ゲイ、両性のバイセクシャルと生物学的な性と自認する性が異なるトランスジェンダーの頭文字を取っている。
遠藤さんは自身もトランスジェンダー。LGBT、あるいは「そうかもしれない」と悩んでいる人も含め、10代から23歳までの若者たちが集まる場所を、さいたま市内や池袋などで毎月開催している。
「子どもたちが自分はLGBTかもしれないと思った時に一番話したくない相手は親。学校でも家でもうそを言わざるを得ない状況でとてもつらい思いをしている。そんな子どもや若者たちには居場所が必要。いつ来て、いつ帰ってもいい、話しても話さなくてもいい、そんな空間をつくっている」
遠藤さんは15歳以下のLGBTの子どもと家族の支援も行っている。体は男の子で心は女の子の5歳児の例を挙げ、家族の葛藤について触れた。
また、テレビドラマや本、漫画などでLGBTに関心、興味を持ち肯定的に捉えている若い世代に比べ、60代以上の人が否定的なことも全国調査のデータを基に紹介。「性についての意識の違いはこれまでの知識や経験による。どんなコミュニケーションを取ってきたか、生きた情報に触れているかが大切」と話した。
参加者はグループごとに日常で使われている言葉や態度などが書かれたカードを「誰かを傷つける」赤信号、「ちょっと考えたほうがいい」黄色信号、「大丈夫安全」な青信号に振り分けるワークを行い、差別や意識の違いについて話し合った。
遠藤さんは「ここから先がLGBTという明確な区切りがあるわけではなくグラデーションだと分かってもらいたい。人は皆一人一人違う。その違いを日常の中で話していける社会に」と締めくくった。