除草剤「月1、2回」「事実ない」…街路樹の枯死でビッグモーター店舗周辺を調査 埼玉県、さいたま市など
中古車販売大手ビッグモーターの店舗周辺で街路樹が不自然に枯れるなどしている問題で、埼玉県道路環境課は28日、県道沿いに店を構える所沢店と八潮店付近の枯れた街路樹について、周辺の土壌調査を実施した。
八潮店では同日午後2時から、同課と越谷県土整備事務所、県環境科学国際センターによって土の採取を行った。採取したのは、枯れた街路樹の周辺とその付近にある別の土壌2カ所の計3カ所。同センターの職員がスコップなどを使って約5センチの深さから土をすくい、金属製の容器に移した。
同事務所によると、県道54号に面した八潮店前のケヤキ1本について、2021年8月12日に近隣住民から同事務所に「県道の街路樹が枯れている」と通報があった。同事務所が確認すると、ケヤキは葉がない状態で、倒木の恐れがあるため同月19日に伐採した。同事務所は今月26日に店舗側に除草剤散布などの事実があるか確認したが、現在の店長から「その事実はない」との回答があったという。
今後3カ所の土壌の成分とその濃度について比較分析を行い、植物に悪影響を及ぼす成分が検出されるか調べる。同事務所は「県警への被害届などの対応については、結果によっては検討する」としている。
■「月1、2回除草剤」浦和美園店側説明
さいたま市は28日、緑区美園の浦和美園店店長が市の聴き取りに対して、「月1、2回、除草剤をまいた。街路樹には直接かけていない」と回答したと明らかにした。市は店舗前の土壌調査を実施し、県と調整しながら、現状回復や損害賠償なども検討する。清水勇人市長は28日の定例会見で、「調査で事実を確認できれば、県警と情報共有を図りながら、厳正に対応していきたい」と述べた。
市道路環境課によると、パトロールをしていた委託業者が昨年5月27日、同店舗前のケヤキ3本、道路を挟んだ反対側のケヤキ2本が立ち枯れているのを見つけた。報告を受けた緑区役所が確認し、倒木の恐れがあるとして、同6月7日に伐採した。伐採費用は計12万5千円。委託業者は「(ビッグ側には)除草剤がまかれている形跡があった」と話していたという。
市は今回の報道を受けて、今月27、28日、緑区中尾の東浦和店と浦和美園店に聴き取り調査。東浦和店店長は「除草剤をまいている店舗もあるようですが、当店はまいていない」と回答したという。