埼玉新聞

 

<ランチ>人気で昼前に売り切れ、ふじみ野・讃岐うどん條辺の「しっぽくうどん」 店主は元巨人選手

  • しっぽくうどん

  • 経営者の條辺剛さん

 ダイコンやニンジン、サトイモなどの野菜が豊富で食べ応えがある。煮干しから取っただし汁が麺に絡み、のどをすり抜けてゆく。一気に食べて噴き出た汗を拭えば、体も心もぽかぽかと温かく、間違いなく真冬の寒さを忘れさせてくれる。

 関東では「けんちん」と呼ぶが、讃岐地方では「しっぽくうどん」(620円)。野菜のほか、豚肉と油揚げ、練り物の天ぷらが入っている。開業当初、鶏肉を使用していたが、肉汁うどんを参考に豚肉に変えたところ、こってり味が受けた。冬季の限定品だが、土曜日は昼前に売り切れるほどの人気商品となった。

 店名は徳島県阿南市出身の店主條辺剛さん(38)の苗字。巨人ファンなら見覚えがあるだろう。県立阿南工業高校で投手で4番だった。99年のドラフト5位で巨人に入団。しかし、6年後、肩を壊して退団。香川県などのうどん店で修行し、08年に妻の実家近くで開業した。

 今は毎朝3時に起床。午前4時半から麺と汁づくりに奮闘する。日々心に刻んでいるのは、手を抜かず、一生懸命やること。「一度、職業を失っており、野球と同じでいつどうなるかわからないから」。

 格子戸ののれんをくぐると、湯気の向こうで條辺さんが真摯(しんし)に迎えてくれる。

 【メモ】「讃岐うどん條辺(じょうべ)」埼玉県ふじみ野市上福岡1の7の9(電話049・269・2453)。その他のお薦めは、かけうどん(400円)、ぶっかけうどん(450円)、とろたまうどん(470円)など。営業時間は午前7時から午後3時。日曜定休。

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