埼玉新聞

 

話題の行田・前玉神社、猫の日に「特別限定の御朱印」 昨年は境内から参拝客あふれる人気ぶり

  • 猫をあしらった2種類の特別限定御朱印をアピールする「きなこDX」=行田市埼玉の前玉神社

  • 猫たちの写真やお守りを紹介する田島和文宮司=行田市埼玉の前玉神社

 2月22日は「ニャン、ニャン、ニャン」の語呂合わせで猫の日。今年はさらに「令和2年」のおまけ付き。この特別な日を記念し、行田市埼玉の前玉(さきたま)神社は20日から26日まで、飼っている猫をあしらった特別限定御朱印を授与する。傷ついた参拝客の心を癒やすなど、さまざまな縁(えにし)を結んでいる4匹は今や神社にとって欠かせない存在に。今年も大勢の来社を心待ちにしている。

 前玉神社の猫は、人懐こいキジトラ柄の雌「きなこDX」、きなこDXと並ぶ人気を誇る雄の「ガガ」、ツンデレな雌の三毛猫「さくら」、神出鬼没な雄の黒猫「ミント」の4匹。いずれも年齢不詳だが、成猫で避妊・去勢手術を受けている。

 最初にやって来たのは、きなこDX。7年ほど前、境内に迷い込み、参拝客の案内を始めた。その後、近所で飼われていたガガとミント、同じく迷い猫のさくらが加入。もともと飼っていた雌猫の「ポッキー」が二十余年の天寿を全うした後で、しばらく猫を迎える予定はなかったが、「私も含め、神社のみんなが猫好きだったので」と田島和文宮司(53)は頭をかく。

 口コミや会員制交流サイト(SNS)を通じて話題になり、猫たちを目当てに訪れる参拝客も。「グッズを作ってほしい」という要望を受け、お守り、根付け、絵馬なども製作された。

 御朱印になったのは2018年7月から。毛色や柄まで忠実に再現されている。毎月22日、1匹ずつ月替わりで登場させたところ、メディアに報じられて認知度が上昇した。4匹が勢ぞろいした昨年2月22日の特別限定御朱印は、県内外から訪れた参拝客で境内があふれ返るほどの人気ぶりだった。

 半面、想定外の事態に十分対応できず、「御朱印のために仕事を休んできた」という参拝客もいた。今回は来社しやすいよう期間を1週間に拡大。混雑の緩和を図るため、従来の手書きではなく、用意した御朱印を授与する方式に変更し、応対するみこや警備員も増やす。

 埼玉古墳群に隣接する前玉神社は千数百年の歴史を誇り、男女の神を祭る縁結びの神社として親しまれてきた。猫たちもペットを失った参拝客の心を癒やしたり、行田が舞台の漫画「埼玉の女子高生ってどう思いますか?」に登場したり、さまざまな縁を結んでいるという。

 御朱印もその一つで、田島宮司は「暗いニュースが目立つ中、猫たちとの触れ合いを楽しみ、ほっこりしてもらえたら」と話す。

 特別限定御朱印は前玉神社版と浅間神社版の2種類。初穂料は500円。受付は午前9時~午後4時半。特別イベントが開かれる22日は特に混雑が予想され、余裕を持った来社を呼び掛けている。

 詳細は、前玉神社のホームページ(https://sakitama-jinja.com/)で。

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