埼玉新聞

 

這い上がれ、俺たちの大槻レッズ J1きょう開幕、力強く踏み出す一歩 浦和、アウェー湘南戦へ

  • 新ユニホームを身にまとうYBCルヴァンカップ開幕戦の浦和イレブン=2月16日午後2時4分、埼玉スタジアム

  • 新潟から移籍したレオナルド。元浦和でJ3鳥取のGM岡野雅之氏がブラジルに赴いて発掘した逸材だ。

 サッカーの明治安田J1は21日に開幕し、浦和はアウェーで湘南と対戦する(19時・BMWス)。

 アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)とJ1の2冠を目標に掲げた昨季は、ACLで3度目の決勝進出を果たした一方、J1では9勝10分け15敗の14位と8年ぶりの2桁順位に終わった。

 クラブが打ち出した3年計画の1年目となる今季は、「来季のACL出場権獲得」と「得失点差プラス2桁」を目標に掲げて再出発を図る。チームは1月7日の始動から4―4―2の新布陣に着手し、計27日間の沖縄合宿で練度を高めた。

 初めてシーズンの頭から指揮を執る大槻監督は「シーズンを通して成長する姿勢、継続していく姿勢が重要」と力を込める。試合ごとに磨かれる"大槻レッズ"の輝きから目が離せない。

■新システムで捲土重来へ

 浦和の大槻監督は今季の始動から「主体的」という表現を用いている。オリベイラ前監督の後任として5月下旬から指揮を執った昨季は、チームづくりに使える時間が限られていた中、目先の勝利を拾うために四苦八苦する状態が続いた。

 確かな分析眼を持つ大槻監督のサッカーは、相手に合わせようとし過ぎるきらいがあった。「主体的」の言葉には反省の意味も込められているのだろうか。迎えた今季は1月7日の始動から、4バックの新システムに取り組んでいる。

 昨季から大きく変わる点は、4―4―2のゾーン守備。成熟には時間を要するものの、練度が高まれば相手の狙いに振り回されにくい。縦横ともコンパクトなブロックを敷くだけに、ボールサイドの逆を狙われる点は今後の課題だ。

 今季の大きな武器となりそうな縦に速い攻撃は5―2で勝利した16日のルヴァン・カップ仙台戦で早々とお披露目。新システムの恩恵を受けている杉本、山中、汰木といった選手たちが輝きを取り戻し、昨季のJ2得点王で新潟から移籍加入したレオナルドも2得点と期待に応えた。

 リーグ最終戦まで残留争いを続け、14位に沈んだ昨季の悔しさを晴らすことができるのは、リーグの戦いに他ならない。捲土(けんど)重来を図る浦和が、未来への一歩を力強く踏み出す。

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