埼玉中小企業家同友会【設立50周年・地域に生きる(16)】ライフサポートサービス・山口伸一郎社長、健康経営で生産性向上へ
埼玉県内の中小企業経営者らが加盟する埼玉中小企業家同友会(会員約千人)が今秋、設立50周年を迎える。経営を学ぶ「社長の学校」として1974年に設立。コロナ対策に加え、原材料費やエネルギー価格の高騰を受けながら、地域の課題解決をビジネス化し、「ウィズ・コロナ」を見据えた新事業を展開するなど個性的な企業が多く集まる。人を生かし地域に生きる地元企業16社を紹介する。
■ライフサポートサービス(川口市)山口伸一郎社長
従業員の健康管理を中心に働く環境を整え、企業の生産性向上や業績アップにつなげていく「健康経営」。川口市のライフサポートサービスは近年注目を集めるこの取り組みを実践し、さらに事業を通じて顧客の健康をサポートする。山口伸一郎社長(57)は「健康な人の方が生産性が高い。いかに社員のパフォーマンスを上げ、生産性の高い企業にするか。健康経営をもっと浸透させたい」と語る。
「健康で働き、健康で長生きすることをサポートする」を使命に、巡回健康診断の運営サービスを展開する。企業や団体の巡回健診、自治体の集団検診を医療機関と連携して受注し、医師や看護師を手配するとともに事務作業全般を請け負う。数百人の大規模健診でも待ち時間を少なくしスムーズな受診に努め、事後の健康管理や保健指導も手がける。県内全域で活動し受診者は年間数万人、実施日数は延べ900日にも上る。
一方で社員の健康管理にも力を入れる。年2回の健診、ストレスチェックはもちろん、ワクチン接種や2次検診の補助、スポーツセンターの利用補助、社内ウオーキングイベント、社員の家族健診、減塩食事メニューの提供など健康にまつわる、ありとあらゆる支援を行う。育休や有休を推奨し取得率は90%に。在宅ワークや時差出勤も取り入れ、時間外労働の短縮を図る。
これらの取り組みが評価され、2019年から5年連続で経産省の健康経営優良法人に認定。中小企業で特に優れた「ブライト500」にも入った。「健康経営は採用に直接つながる。良い企業と思ってくれる人が増える」と優秀な人材に来てもらうために不可欠と指摘する。「健康経営が地域に増えるように活動したい。自分たちもお客さんもそういう企業になっていければ」。山口社長の考える健康が地域を、社会を発展させていく。