<新型肺炎>感染・濃厚接触者が生徒、保護者、教職員なら休校 各地の対応は 卒業式は時間短縮、出席制限
新型コロナウイルスの感染拡大を防止しようと、県内の学校現場で対応策が進められている。各教育委員会は27日、卒業式の保護者の出席制限や時間短縮を決めた。
さいたま市教委は主催の研修会を原則中止とした。市立小中学校、高校、特別支援学校の卒業式は、来賓の招待を自粛し、児童生徒、保護者、学校職員、市教委事務局職員で実施。保護者の出席は1家族1人に制限する。予行は取りやめ、式典全体の時間を短縮して実施できるよう、市教委がモデル実施例をつくり、各校に案内する。
児童生徒や保護者が集まって行う「卒業生を送る会」などについては、各校長に開催自粛を要請し、土曜・放課後チャレンジスクールについても開催の自粛を呼び掛ける。
戸田市教委は、市立小中学校長宛てに通知を出した。児童生徒や保護者、教職員らが感染した場合と、濃厚接触者に特定された場合は、当面14日間を目安に全小中学校を休校とする内容。同様の内容で協力を求める保護者宛てにも通知した。市内や近隣自治体で感染が確認された場合は臨時休校を含めて検討する。
卒業式は参加者を制限し時間を短縮する。出席は卒業生、保護者は1家庭2人まで、教職員、PTA会長、教育委員のみとし、在校生は参加しない。全員の名を呼び代表授与とし、時間を短縮する。あいさつは校長式辞のみとし、祝電披露はしない。
児童生徒に風邪の症状が見られる場合は登校を控え、その場合は欠席扱いにせず出席停止とする。学校では、2クラス以上が一堂に会する活動や班別給食、部活動の対外試合は自粛することにした。
戸ケ崎教育長は「ひとり親家庭で休校は困る。卒業式は一生に一度のものだ。しかし、戸田の学校から感染者を出さない、感染を広げない、子どもたちの命を守ることを第一に考えて決断した」と話した。
越谷市は小中学校の卒業式について、来賓や在校生の参加を取りやめて実施することを決めた。市が管理する老人福祉センターなどの施設について3月31日まで臨時休館とすることも決定した。
草加市も小中学校の卒業式について、規模の縮小や時間を短縮して行うと発表した。八潮市は対策本部会議を開き、公共施設のキャンセル料がかからないようにする特例措置や、公共交通機関で通勤する職員の時差出勤の実施などを決定した。
各市は感染予防策として、登校前の検温や、手洗い、うがいの徹底、マスクの着用などを保護者に求めている。