埼玉新聞

 

<新型肺炎>秩父の祭りも中止・縮小相次ぐ「東日本大震災でも中止ない」「学校休み、祭りやっていいのか」

  • 昨年のジャランポン祭り=秩父市久那の下久那公会堂

 新型コロナウイルスの感染拡大が懸念されることから、秩父地域の春祭りや奇祭、歌舞伎も縮小や中止が相次いで決まり、影響が出ている。

 秩父市山田の恒持(つねもち)神社周辺で8日に予定されていた同神社例大祭「山田の春祭り」は山車が巡行せず、祭典のみに。同祭りは秩父地域で1年の最初に山車が出て、秩父路に春の訪れを告げる祭りとして知られていた。

 同祭り関係者は「会議の中では、学校が休みになった状況で、祭りをやっていいのかという意見が多かった。東日本大震災の時でも山車は曳(ひ)いたが、山車を全く曳かないのはこれまで聞いたことがない」と残念そうだった。

 同市久那の下久那公会堂で15日に予定されていた奇祭「ジャランポン祭り」も中止になった。同祭りは生きている人を死者に見立てて本物そっくりの葬式を催し、災厄を笑い飛ばす奇祭で、多くのカメラマンが撮影に訪れていた。

 昨年の同祭りでお坊さん役を務めた川島康助さん(68)は「狭い場所に人が集まるし、心の底から楽しめないので、中止が妥当ではないか。東日本大震災の時もやったが、中止は記憶にない」と語った。

 地名の十六から十六様の名で親しまれる小鹿野町般若の日本武(やまとたける)神社で、14日に予定されていた例大祭も祭典のみに。通常は同町で毎年最初の歌舞伎が上演されており、小鹿野歌舞伎の幕開けとして知られていた。

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