埼玉新聞

 

<新型肺炎>2日から一斉休校 仕事休めない保護者「子どもが学校へ行って大丈夫か」 教職員ら休日返上

  • 保護者らからの電話を受けるさいたま市教育委員会教育総務課、教育政策室の職員=1日午後、さいたま市教育委員会

 新型コロナウイルス感染防止のための安倍晋三首相からの要請を受け、全国の多くの小中高校などは2日から臨時休校する。県内の各教育委員会では日曜日の1日、休校に備えて出勤したり、保護者らからの相談対応に追われた。

 さいたま市教委は2日から13日まで、市立小中高等中等教育学校167校を臨時休校と決めている。2月29日と3月1日は教育総務課、教育政策室の職員が交代で出勤し、保護者らから休校についての電話相談を受け付けた。

 午前8時半から午後5時15分までに受け付けた相談件数は土曜日の29日が150件程度、日曜日の1日が正午までに十数件程度。内容は「仕事を休めないが、月曜日以降、子どもが学校へ行っても大丈夫なのか」など、学校の受け入れについて尋ねるものがほとんどで、これまでに目立った混乱などはないという。

 2日以降、各校教職員は通常通り出勤する。小学校の児童、中学校の特別支援学級に在籍する生徒のうち、保護者が仕事を休めないなど、自宅で過ごすことが適当でない場合には、通常の在校時間、在籍する学校で受け入れる。

 休校中の課題などについては、市教委から各校に参考例を提示し、28日の下校時までに児童生徒に教科書やドリルなど、既存の教材を活用して学習を進めるよう指導したという。市教委教育政策室は「今後は状況を把握しながら各校と調整し、必要があればQ&Aを作成して各校と共有するなど対応したい」としている。

 秩父市内の小中学校では、学習面や生活面の指導を行うため、2日午前中のみ登校とし、3日から休校となる。市教育委員会学校教育課は、職員たちが休日返上で出勤し、事前準備に追われていた。

 市内では学童保育室とふれあい学校が長期休業日と同様の時間で開設される。職員たちは学校への文書作りなどの作業を実施していた。

 担当者は「突然の話だったので、今でもばたばたしているが、自分たちより子どもたちの方がかわいそう。特に小学6年生や中学3年生は最後の思い出をつくる時だったので、残念だと思う」と話した。

 狭山市では教育指導課で3~4人程度が保護者からの問い合わせに対応した。担当者は「昨日は3件ほど問い合わせがあった」と話した。入間市でも同様に学校教育課で、2人態勢で電話対応した。

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