<新型肺炎>子ども休校、休まざるを得ず…県内企業、パート従業員の不足始まる シフト調整、相談増へ
新型コロナウイルス感染防止のため、県内でも多くの小中高校などが2日から臨時休校しているが、子どもを抱える保護者がパートなどの職場を休まざるを得ない状況が生じている。影響が広がりつつある中、企業などは対策を講じている。
県を中心に首都圏にスーパーマーケットをチェーン展開するヤオコー(川越市)では、約1万人のパート従業員のうち、多くが主婦や子どもを持つ女性だ。店舗によっては、休校に伴うパート従業員の不足が出始めているという。同社は「現在、各店舗で出勤のシフトを調整している状況。今後の動向によっては、本部からの支援要員も加わることもあるかもしれない」とし、状況を見極めながら賃金や営業時間なども含めた今後の対応策を講じていく方針だ。
武蔵野銀行(さいたま市大宮区)では、金融事務などを行うパート従業員が約700人在籍。政府から休校要請が出された直後、全行員とパート従業員にヒアリングを実施。休校を受け、子どもを預け先に預けに行くなど出勤時間が遅れる従業員が数人程度いるが、事前の状況把握で大きな混乱はないという。同行では「パート従業員でも有給休暇を取得しやすい環境や、休職に伴う収入面での不安に関する相談などに努めている。国の動向を見ながら情報収集を進め、さらなる対策を検討していきたい」としている。
埼玉労働局の新型コロナ関連の特別労働相談窓口には、2月28日現在で103件の相談が寄せられている。同局では「休校で休職を余儀なくされる子どもを持つパート労働者からの相談はまだないが、これから増えるだろう」とみる。
国は収入減が生じるパート労働者の支援策の検討を表明していたが、2日に今回の休校に伴う休職支援として、正規・非正規を問わず、労働基準法上の年次有給休暇とは別の有給休暇を取得させた企業に、その休暇中の賃金を支給する助成金制度を創設。同局は「パート労働者にはこうした支援策も知っていただき、職場に相談してほしい」と話している。