埼玉新聞

 

4歳長女に医療受けさせず死亡させた疑い 両親を逮捕 全身に数十カ所のあざ、日常的に虐待か/伊奈

  • 上尾署=上尾市本町

 伊奈町の住宅で2017年、長女=当時(4)=に十分な食事を与えず、適切な医療を受けさせずに低体温症で死亡させたとして、県警捜査1課と上尾署の合同捜査班は6日、保護責任者遺棄致死の疑いで、伊奈町小室、父親の自営業の男(30)、母親のパートの女(28)を逮捕した。長女は死亡時、全身に数十カ所のあざがあり、県警は男と女が日常的に虐待していた疑いもあるとみて調べる。

 逮捕容疑は共謀の上、長女の心ちゃんに十分な食事を与えず、適切な医療措置を受けさせないなど必要な保護を怠り、17年12月21日、低体温症で死亡させた疑い。県警は共犯事件として認否を明らかにしていない。

 同課によると、同日午後6時55分ごろ、女が心ちゃんを病院に運び、医師が死亡を確認。その際に体が痩せていたことや腕、脚、腹、背中などにあざが複数あったことから、病院が上尾署に連絡した。

 心ちゃんの体重は11・3キロで平均より約3・7キロ少なく、身長は約10センチ小さかったほか、低栄養状態だったという。

 逮捕前の県警の任意聴取に対し、女は「午後4時ごろに子どもが風呂に入った後、1階のリビングで寒さを訴えた。寝かせて膝掛けを掛けておいた」と説明。その後、午後5時半ごろに様子を見ると反応がなく呼吸していなかったという。男は当時仕事中で自宅にいなかった。

 また、男と女は心ちゃんが「17年10月下旬ごろからご飯を食べなくなった」と話し、体のあざについては「17年11月ごろからしつけのために、たたいたりする暴行をやった」などと説明したという。

 県警は警察への家庭についての相談は把握していないとしている。

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