国重要文化財「秩父吉田の龍勢」、児童らが体験 作ったミニ龍勢を披露、保護者ら惜しみない拍手
2019/02/10/00:00
昨年3月に国重要無形民俗文化財に指定された「秩父吉田の龍勢」を体験してもらおうと、秩父市下吉田の市立吉田小学校(吉田和敬校長、児童219人)で8日にミニ龍勢まつりが行われ、3年生26人が昨年10月から手作りしてきた仕掛け付きの龍勢のミニチュアを披露した。
秩父吉田の龍勢は祭りに際し、「龍勢」と呼ばれる打ち上げ式の煙火を奉納する民俗行事。旧吉田町(現秩父市)を中心に少なくとも江戸時代末期から行われていたとされる。現在は毎年10月第2日曜日に同市下吉田の椋神社秋季例大祭で、五穀豊穣(ほうじょう)などを祈願して打ち上げられている。
ミニ龍勢まつりは毎年行われており、今回で16回目。5グループに分かれた児童は昨年10月から、龍勢に竹を編んだたがをかける「たがかけ」など一連の作業を実際の龍勢祭と同じように体験した。吉田龍勢保存会の指導も受けながら、工夫を凝らしたミニ龍勢を作ってきた。
ミニ龍勢まつりで児童は太鼓を打ち鳴らす中、「トーザイ、トーザイ」と龍勢祭と同じように大きな声で堂々と口上。落下傘を開いたり、紙飛行機を飛ばしたりして、考えてきた仕掛けを披露した。これまでの練習の成果を存分に発揮すると、同保存会の関係者や保護者からは惜しみない拍手が送られていた。
流派「大空高くまい上がるロケット雲流」の棟梁を務めた浅見莉香(りこ)さん(9)は「飛行機を飛ばせないところもあったけど、楽しかった」と笑顔。指導した龍勢製造流派「日の本流」の副棟梁の堀口理則さん(55)は「みんなで力を合わせて龍勢を作ったことを思い出にして、大きくなったら龍勢に携わってもらえれば」と話していた。