<新型肺炎>残された警察力で頑張る 職員感染の武南署、署長が訓示「市民のため、やるべきことやろう」
県が武南署員と県庁職員ら男性2人の新型コロナウイルス感染確認を発表してから一夜明けた6日、武南署(川口市辻)には午前8時45分から3階の大会議室で、署員ら約70人が集合。坂本雅彦署長(55)は「残された警察力で市民の安全・安心のため、やるべきことをやろう」と訓示した。
署の正面玄関のガラス扉には「御来庁の皆様へ」という署長名の張り紙が掲示された。「当警察署の職員から新型コロナウイルス感染症の症例が確認されました。感染した職員については既に出勤を自粛し、所要の消毒を行っております―」と説明し、マスクの着用や手指の消毒などの徹底を求めた。
「残された警察力で頑張ろうというのは署長の決意表明です。われわれは淡々と、粛々と仕事をやっていきます」と、鈴木真一警務課長(47)は埼玉新聞の取材に語った。
県警によると、感染が分かった男性は同署の交通課員。2月29日の当直勤務をしており、その夜に一緒に当直だった署員や同僚課員を濃厚接触者として、計35人が自宅待機しているという。
一方、川口市議会の本会議が午前10時に始まり、市議による一般質問が行われた。自民の宇田川好秀市議(57)が「市民に正確で迅速な情提供を」と要望し、新型コロナウイルス対策を質問した。
答弁した岡本浩二保健所長(61)は「男性署員は武南署へ自家用車で通勤していた」とした上で「正しく恐れることが大事。関係機関と情報を共有し、市長のリーダーシップの下でしっかりと対応していきたい」と述べた。
「武南署員の感染を知ったのは5日夜のテレビ報道。びっくりした」と同市議会の前原博孝議長(72)。前原さんは「隣の東京都足立区の子どもの感染があって、今度は川口市内。だんだん迫ってきたなと感じる。見えない敵に対して、緊張感を持って対処していきたい」と話した。