埼玉新聞

 

<新型肺炎>一斉休校から2週間 保護者、勉強の遅れ心配 自宅待機の生徒「夏休みなくなるか」

  • 新型肺炎、一斉休校スタートから2週間

 新型コロナウイルスの感染拡大防止を目的とした小中学校の一斉休校が、今月上旬のスタートから2週間を迎えようとしている。自宅待機している中学生からは「やることがない」「部活がしたい」といった声のほか、異例の長期休暇の反動で「夏休みがなくなるのでは」という懸念も。保護者は家族で過ごす時間が増えたことを喜びつつも、学習面などを心配している。

 13日正午ごろ、熊谷市内の商業施設では、小学生や中学生が友人たちと食事や買い物を楽しんでいた。市立小中学校は2日から臨時休校に入り、平日昼間に子どもの姿を見掛けるのも珍しくない。

 熊谷市は休校中の過ごし方として、「不要な外出はしない」「規則正しい生活をする」「家庭学習を行う」と指導している。中学校の部活動は中止。平時とは異なる生活を強いられ、中にはストレスを感じている生徒もいる。

 「最初の1週間は休みがうれしかったけど、今はつまらない。何をしたら良いか分からない」。勉強とスポーツで多忙な日々を送っていた中学2年の男子生徒は生活の落差に困惑する。

 休校前は野球の練習と塾通いで、外で過ごす時間の方が圧倒的に長かった。それが逆転し、息抜きで近所の公園やサイクリングに出掛ける程度に。たまに会う友人とは「夏休みがなくなるかも」と話している。「そうなったら、野球の全国大会がなくなってしまう。進路に関わることだから本当に困る」

 中学1年の男子生徒は「いきなり学校を休めと言うのは大人の身勝手。外に出られず、家でじっとしているのは暇すぎる」と漏らす。自由に羽を伸ばしている生徒たちの存在も知っているが、「感染を広げる原因にはなりたくない」から待機している。

 登校する必要がなくなって生活リズムが崩れ、これまで午前6時には起床していたのが、現在は午前10時すぎになる日も。家で宿題をしていても、集中は長続きしない。大好きなテニスができなくなり、1人でラケットの素振りやランニングをしているが、「早く部活がしたい。クラスの友達にも会いたい」という思いは募るばかりだ。

 異例の措置に保護者も戸惑いを隠さない。中学2年生の子どもを育てる女性は「お互い忙しくてバラバラだった家族が、休校のおかげで一緒に過ごす時間が増えた」と実感する一方、「自宅学習といっても限界がある。来年は受験があるし…」と子どもの勉強の遅れを心配する。

 別の保護者は感染拡大による休校の長期化を懸念。「おやつ代なども含め食費がかさむし、子どもが家でだらだら過ごしているのを見ると、こちらもいらついてしまう。早く学校が再開してほしい」と話した。

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