さいたま市などでレストランを展開しているノースコーポレーションが、県内の生産者と連携して作ったSAITAMAジェラート。その中の「酒粕FORTE（さけかすフォルテ）」は、熊谷の老舗蔵元の権田酒造とのコラボレーションで生まれた。

　使っているのは、埼玉生まれの酒造好適米「さけ武蔵」で醸造した純米大吟醸「直実」の酒粕。権田酒造では、熟成したもろみを槽（ふね）と呼ばれる木枠に入れ、2～3日かけてゆっくり搾る。昔ながらの製法で、雑味がない酒ができる一方で、酒粕にうまみや香りが残る。

　この酒粕に合わせているのは、小鹿野町の戸田乳業の牛乳。上質の甘酒のような深い味わいと香りに、まろやかさと滑らかな口解けが加わった。アルコールも1％未満。お酒が苦手な人でも満足する至福の逸品だ。

　シェフの門平光正さん（41）は「ジェラートを切っ掛けに生産者のことを知り、お酒のファンにもなってもらいたい」と話す。

【メモ】　酒粕FORTEは1個500円（税込み）。エッコラ（さいたま市浦和区仲町1の5の15）、ソニックシティ内の埼玉県観光物産館「そぴあ」、秩父地場産センター内のじばさん商店などで販売している。問い合わせは、エッコラ（電話048・824・1511）へ。

■埼玉みやげラボ代表・斉藤哲也さんの話

　地域食材の魅力を最大限に引き出すイタリア料理のシェフが、埼玉で見つけた日本の宝物とも言うべき食材と出会った喜びが伝わる逸品。連日の猛暑で夏バテ気味の身体にも最適。全国の優れた食品千点以上集まる大会で準グランプリ受賞。