大勢の客!おっぺ川灯籠まつり、4年ぶり完全開催 ステージで高校生ら初演奏 “灯籠”1600個が幻想的
越生町で残暑厳しい候の夕べを楽しむ恒例行事として定着した「おっぺ川灯籠まつり」が12日、同町越生東のいこいの広場で行われた。第11回の今夏は、4年ぶりに完全開催。会場には町内や近隣から多くの人々が訪れ、町民手作りの祭りを満喫した。
イベントは2013年、町立越生小、中学校で同級生だった仲間数人が企画し、第1回が開かれた。当時、町中心部近くを流れる越辺川に遊歩道が完成。散歩などで町民らが憩う場になりつつあったという。立ち上げから関わる実行委員長の宇津木謙治さん(70)は「地域づくりの一環として、ここで何らかの行事があれば良いと思ったけれど、予定は全くなし。それならば、自分たちで行ってしまおうと考えた」と振り返る。
町で生まれ育った宇津木さんは、旧知の仲間と準備。遊歩道に隣接するいこいの広場でステージや飲食の出店などを催し、それぞれが思いをともした灯籠を越辺川に流す祭りを初めて開いた。第2回からは同級生以外の賛同者も加え、実行委員会形式で実施。新型コロナウイルスの感染拡大で20、21年は中止され、昨年は出店と盆踊りがない祭りとなったものの、今年はコロナ禍前のにぎわいが戻った。宇津木さんは「台風の進路が心配だったが、無事開催できた」と胸をなで下ろす。
19年10月の台風19号による豪雨で川が深くなり危険なため、昨年からは灯籠流しは行わず広場に飾っている。今回はペットボトルで作った約1600個を、水の流れをイメージして配置。遊歩道には、約200個の竹灯籠も置かれた。ステージでは初めて、町内にある高校の生徒らによる演奏なども披露。毛呂山町から訪れたパート藤田知美さん(38)は「地元の皆さんでつくっているアットホームな雰囲気がすてき」とほほ笑む。灯籠作りに挑戦した長女美佳ちゃん(3)は、「上手にできたよ」と喜んだ。
現在、実行委のメンバーは町内外から集まった20~70代の18人に増えた。このほか、約25人のボランティアスタッフも協力している。宇津木さんは「若い人たちに引き継ぎつつ、祭りを続けていきたい」と将来を見据えた。