<県庁前で妻殺害>ショック…妻が勤務の少年鑑別所「少年たちの母親的な役割で優秀」 昨日まで笑顔、急に
2020/03/18/00:00
さいたま市浦和区の県庁前で、さいたま少年鑑別所の職員浅野法代さん(53)が刃物で刺されて死亡した事件。殺人未遂容疑で逮捕された夫(51)は文教大准教授で、「埼玉犯罪被害者援助センター」の理事を長年務めていた。
浅野法代さんはさいたま市浦和区のさいたま少年鑑別所に勤めていた。同鑑別所は17日、報道陣の取材に応じ、「仕事熱心で優秀な職員が亡くなり残念」と話した。
長年にわたり非行少年の更生に携わってきた法代さんは、2019年4月から同鑑別所に勤務。同所では「統括専門官」として、収容された少年たちの処遇に関する業務を担当し、現場の職員をまとめる役割だったという。
少年らの再非行防止のため、生活習慣についてアドバイスするなど「少年たちの母親的な役割」で、少年が抱える不安や不満に真摯(しんし)に向き合う姿も。入所した少年への対応や方針を積極的に考える真面目な仕事ぶりだったという。
事件当日は午後5時半ごろに同所を後にしていた。仕事を離れれば3人の子どもを育てる母親だった法代さん。同所の玉井清一次長は「『子どもが言うことを聞かなくて困る』などと話すこともあったが、一生懸命に育てている様子だった」と振り返る。
事件を受けて玉井次長は「昨日まで一緒に働いていて、笑顔で話もしていたのに。急に亡くなり非常にショック」と声を落とした。