<新型肺炎>春日部大凧あげ祭りが中止 今年は「東京」と「五輪」の文字 GWの県内観光にも影響
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、春日部市は19日、毎年5月3、5日に市内の江戸川河川敷で開催している「春日部大凧(おおだこ)あげ祭り」を中止すると発表した。加須市の「ジャンボこいのぼり」と並ぶゴールデンウイーク(GW)期間中の大型イベントで、新型ウイルスは県内観光の象徴にも影響を及ぼし始めた。
「大凧あげ祭り」は端午の節句に合わせ江戸時代から続いている伝統行事。100人の引き手が縦15メートル横11メートル重さ800キロの大凧を上若、下若の2組に分かれて揚げる。昨年は2日間で13万8千人がイベントに訪れた。
今年は大凧に「東京」と「五輪」の文字を描き、当日の引き手を募集するなど、準備を進めていた。大凧あげが天気以外の理由で中止になるのは、江戸川改修で宝珠花地域が移転した1952年以来だという。
春日部市庄和大凧文化保存会の川島栄会長は「みんなで準備を進めていた。初節句を祝うもので1歳未満の子どもが多く参加する。小さい子どもの命を守れるかは難しい。中止は残念だがやむを得ない」と話した。
石川良三市長は「イベント開催による感染の不安がぬぐい去れないことから、誠に残念だが、市民の健康、命を守ることは何事にも代えがたく、イベントの準備が本格化する前に苦渋の決断をした」とコメントしている。
市は関連団体と協議して、大凧あげ祭りに加え、「藤テラス」(開催予定4月18、19日)、「春日部藤まつり」(同26日)、大凧マラソン大会(同5月4日)の中止も決めた。
一方、5月3日に行われる加須市民平和祭(同実行委員会主催)で大空を舞うジャンボこいのぼり。今年の開催可否はまだ決まっておらず、担当の市商業観光課は「今後の状況をみながら、検討していきたい」としている。
市民平和祭は今年で11回目。これまで会場となる加須市大越の利根川河川敷が浸水するなどして遊泳しなかったことはあるが、天候以外の理由で中止になったことはないという。
「世界一のこいのぼり」をうたうジャンボこいのぼりは、全長100メートル、重さ330キロを誇り、昨年は約12万人が令和初の遊泳を見物した。