<新型肺炎>マスク配布先、優先順位に苦慮 備蓄減り、新たな入手も困難 自治体、厳しい判断迫られる
2020/03/20/00:00
新型コロナウイルスの感染が拡大する中で、埼玉県内の自治体から医療や教育機関などへの備蓄用マスク配布が行われている。県東部の市町は、ストックのマスクが減り、配布先や枚数などの優先順位に苦慮している。
春日部市は、臨時休校に伴い小中学校と放課後児童クラブへ1万3600枚のマスクを配布。市は約4万4千枚のマスクを備蓄していたが、小中学校、放課後児童クラブへの配布でストックが大きく減った。「(補充も)お願いし発注したが入荷の見通しは立っていない」と同市健康課。残数が限られ福祉施設などへの優先配布が厳しくなっているという。
久喜市は、ニーズ調査を基に、医療機関や高齢者施設、放課後児童クラブなどへ備蓄用マスク15万枚のうち9万枚を配布した。しかし、新たなマスク入手が困難なため、市健康医療課は「配布先や枚数など非常に厳しい判断を迫られている」とし、残りの6万枚については「いつまでこのような状態が続くか分からないので、状況をみながら対応を」と見通しがつかない。
別の自治体担当者は「関係機関などの協力を得てマスクをなんとか、かき集めたが、感染源となってはいけない機関を厳選して配布するのがやっと。住民までは回らない」と現状を打ち明ける。
県保健医療政策課は「問い合わせもあるので厳しい状況は理解している。県ではサージカルマスクは備蓄していないため、国に要請している」と説明している。