埼玉新聞

 

1938年生まれの「貴婦人」お色直しへ…72年から行田で展示のSL 9月からCF開始、再塗装体験の特典も

  • 老朽化が進んでいる蒸気機関車C5726号=24日午前、埼玉県行田市本丸

    老朽化が進んでいる蒸気機関車C5726号=24日午前、埼玉県行田市本丸

  • 老朽化が進んでいる蒸気機関車C5726号=24日午前、埼玉県行田市本丸

 埼玉県行田市は24日、同市本丸の本丸児童公園南側に展示している蒸気機関車(SL)C5726号について、再塗装を実施するため、9月4日からクラウドファンディング(CF)型ふるさと納税で寄付募集を行うと発表した。これまで定期的に再塗装を行ってきたが、老朽化が進行しており、再びお色直しを実施する。

 SLC5726号は1938年に川崎車両で製造され、71年12月に引退。高崎線行田駅開業5周年に合わせ、国鉄(現JR)から市に貸与され、72年1月から展示する。C57はその美しい姿から「貴婦人」とも呼ばれ、約50年にわたり市民から親しまれてきた。しかし、近年は経年劣化による塗装の剥離が激しく、抜本的な対策が必要だった。

 再塗装の事業費は779万2千円。400万円を専用ポータルサイトのふるさとチョイスガバメントCFで9月4日~12月2日まで募集する。残額の379万2千円は企業版ふるさと納税を充てる。

 特典として、寄付者の中で希望者約100人は来年1、2月に実施予定の再塗装体験ができ、希望者多数の場合は抽選となる。寄付者には再塗装後のSLのポストカードも進呈。寄付を行った市外在住者には返礼品でSLにちなんだボトルオープナーやTシャツ、マグカップ、トートバッグを用意し、寄付は1万円から2万7千円を対象とする。

 市は本丸児童公園も整備予定。24日の定例会見で、行田邦子市長は「(SLは)行田の時が止まっている象徴のようだったが、お色直しで行田が新しくなったと感じてもらえれば」と話していた。

ツイート シェア シェア