首都圏初&全国初! 「虹色みずあめ」や「眠れませんべい」も再現…桶川で人気児童小説「銭天堂」の特別展
幸運な人だけがたどり着けるという「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」。そしてライバル店で“悪役”の「たたりめ堂」。子どもたちに人気の児童小説の世界を紹介する特別展「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂へようこそ『番外編たたりめ堂へようこそ』」が、埼玉県桶川市若宮のさいたま文学館で開かれている。高知県、山梨県などでも行われている巡回展で、首都圏では初開催。さらに「たたりめ堂」をクローズアップするのは全国初で好評を博している。初日から約1カ月で入場者は5500人を突破した。9月24日まで開催。
「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」(廣嶋玲子作、jyajya絵)は2013年5月に刊行。20年8月にアニメ化され、小学生を中心に大人にも大人気の児童小説シリーズ。現在最新刊は19巻(23年4月)で、累計発行部数は420万を超えた。韓国やベトナム、中国でも出版されている。
物語は、悩みや願いのある人たちが幸運にも銭天堂に導かれ、店主の紅子から不思議な駄菓子を買うことで始まる。駄菓子の食べ方や使い方次第で、望みがかなったり、予想外の出来事が起きたりする。一方のたたりめ堂は、紅子をライバル視する少女よどみの店で、相手の心の隙につけこみ、良からぬことをたくらんで人々を惑わせる。悪意を代金にした菓子を売る。
会場には、立体的に再現された銭天堂が設置され、紅子と猫の墨丸が出迎える。アニメのエンディングでお菓子を作る猫たちも立体で登場。原作挿絵を元に再現された「虹色みずあめ」「型ぬき人魚グミ」などの銭天堂の不思議なお菓子や「引きさきイカ」「眠れませんべい」などたたりめ堂の邪悪なお菓子も展示されている。会場全体が物語の世界観を表現し、訪れた人を「没入」させる展示となっている。
一部を除いてほぼ写真撮影できるのも人気の一つ。加須市から訪れた4人家族は「アニメで見たものがあって感動」と言いながら、銭天堂やたたりめ堂の立体造作とともに写真を撮っていた。小学生の時から原作のファンだったという高校1年の柾木千愛さん(15)は「どうしても見たくて1人で来た。不思議な内容に引かれる」と話した。
原作の表紙や挿絵などのイラストも展示されているほか、同館の図書室で原作をゆっくり読むこともできる。ロビーでは、同館と銭天堂コラボのオリジナルグッズなども販売されている。
開館時間は午前10時~午後5時半(観覧受付は5時まで)。毎週月曜と9月19日は休館。入館料は一般210円、高校生、学生は100円。中学生以下無料。問い合わせは同館(048・789・1515)へ。