埼玉新聞

 

<深谷3遺体>男に懲役6年 男性3人の遺体運び、住宅敷地内でブルーシートに包む/さいたま地裁

  • 3人の白骨遺体が見つかった木造平屋の借家=2018年2月5日午後5時20分ごろ、深谷市萱場

 深谷市の住宅敷地内で2018年、ブルーシートに包まれた男性3人の遺体が見つかった事件で、遺体を運搬して遺棄したなどとして、死体遺棄などの罪に問われた住居不定、無職佐藤守被告(52)の判決公判が31日、さいたま地裁で開かれ、田尻克已裁判長は被告に懲役6年(求刑・懲役8年)を言い渡した。

 判決理由で田尻裁判長は、3人の遺体を遺棄したことについて「死者に対する遺族を含む社会の敬虔(けいけん)感情が大きく害されたことは明らか」と指摘。公判で佐藤被告が遺棄した理由について、死亡との関与を疑われないためなどと述べていた点について「不合理極まりなく、犯情は相当に悪質」と断じた。

 佐藤被告が否認していた傷害と監禁罪についても「経済的搾取をする目的で誘い込んでおり、自己中心的で身勝手」とした。

 弁護側は最終弁論で、「動機と犯行態様の悪質性は比較的低い」と主張していた。

 判決によると、佐藤被告は16年3月ごろ、長島康雄さん(66)の遺体を群馬県伊勢崎市のアパートから、佐藤正松さん(79)と八杉智さん(41)=年齢はいずれも当時=の遺体を東京都板橋区のアパートから寄居町の借家に運搬。17年4~5月ごろには3人の遺体を深谷市萱場の借家に運び、遺棄した。

 深谷市の借家からは18年2月、ブルーシートに包まれた3人の白骨遺体が発見され、元住人の佐藤被告は窃盗や傷害、死体遺棄罪などで逮捕、起訴されていた。

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