川口市三ツ和の鳩ケ谷庁舎で1日、年間365日の夜間に小児科医が詰めて急患の子どもを受け付ける「川口市こども夜間救急診療所」が開所した。長年の悲願だったが、川口医師会と四つの大学医学部の連携が成り、開所にこぎ着けた。

　31日、同診療所前で行われたテープカットで、奥ノ木信夫市長は「地元医師会の努力により住みやすい街へ一歩進める施設ができた」、柳田力議長は「市民から頼りにされる施設となるように願う」、川口市医師会の鹿嶋広久会長は「市民の長年の悲願が実った」と、それぞれ祝辞を述べた。

　鹿嶋会長によると、四つの大学から医師派遣を受ける約束を取り付けることに苦労したという。「飛び込みで『派遣をお願いします』と言っても無理。つてを頼って、派遣の約束にたどり着いた」と鹿嶋会長は振り返った。

　市医師会の会員、川口市立医療センター、済生会川口総合病院などの院長や担当医を通じてそれぞれの母校と交渉し、東京医科歯科大学、東京慈恵会医科大学、日本大学、獨協医科大学から医師派遣の約束を取り付けた。

　「いよいよ診療が始まるが、知らない土地に来て大学の医師たちが困らないように、当面は地元のわれわれが手助けに来るつもり」と鹿嶋さんは話した。

　これまでは、平日の夜間は川口医師会の25の診療所が輪番で、それぞれの場所で小児科の急患を受け付けてきた。これからは毎晩、常設の決まった場所なので市民には便利になる。

　こども夜間救急診療所は、午後7時半～同11時（土日・祝日・年末年始は同5時～9時半）まで、子ども（ゼロ歳～中学生）の急患を受け付ける。急な発熱など内科症状が対象。けが・やけどは県救急相談（電話＃7119または048・824・4199）へ。

　深夜（午後10時～翌日朝8時）は市立医療センター（電話048・287・2525）、済生会川口総合病院（電話048・253・1551）、埼玉協同病院（電話048・296・4771）の3病院が輪番で受け持つ。